4.09.2011

滑稽なのに、泣けてきた

このブログとYouTubeのチャンネルを、ぜひ紹介させてください。
okuderazekiさんの、神楽など民俗芸能見聞録のブログと、このブログに貼り込まれている映像元のYouTubeの郷土芸能&民俗芸能アサプロライブラリーのチャンネル。okuderazekiさんにお会いしたことはないのですが、私は民俗芸能について知りたいときは、アサプロライブラリーの映像を検索しています。
震災以降、okuderazekiさんのブログは、被災した地域の民俗芸能の映像を取り上げてコメントとともに映像を紹介されています。
今日、okuderazekiさんのブログにアップされていた映像の1つを、このブログにも貼り込ませてもらいます。

東北だけではないですが、各地に残されている神楽は、普通の民家の大広間で行われていることが多くて、そこに地域の人々が集まって、毎年、毎年、毎年、毎年、それを楽しみにしてきたし、伝え続けてきたわけです。そうした営みの一つとして、釜石市に残されている鵜鳥神楽の、滑稽な場面。なんですが、私は今朝これを見て、涙がこらえられませんでした。
この映像に残されている人々にとって、あるいは、その何代も前の先祖から、この神楽は、幸福も不幸も共有し続けてきたんだろうなぁと。震災で、アートに何ができるか、なんて、取って付けたように考えてるようじゃ、全然ダメだなぁと思いました。
あと、7分40秒くらいのところからの舞は、ダンスをやっている人、観るのが好きな人は、ぜひ観てみてください。日本には、ずっと昔から、こんなにカッコいいダンスがある、ということが、知られなさすぎると思いませんか。

6 件のコメント:

カムイ さんのコメント...

「日本には、ずっと昔から、こんなにカッコいいダンスがある、ということが、知られなさすぎると思いませんか。」この言葉は、音楽で置き換えると、「お囃子や民謡」が多くの人には「音楽」とは認識されていない状況と言えますね。人々の悲哀に寄り添ってきたこういうものの価値を再考する必要は僕自身感じています。僕も、この方のサイトを覗かせていただいています。最近の記事を読むたびに、okuderazekiさんの保存会の方への気持ちが率直に語られていて、読むのもつらい部分があります。ただ、「いつかきっと」という姿勢で、民俗芸能の復興を祈らずにはおれません。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

カムイさん、コメントありがとうございます。
私も長い間、いわゆる「伝統文化」と、いわゆる「芸術」を区別して認識してきたので、つい最近まで、お囃子や民謡を音楽として認識してこなかった人間でした。これは、一人ひとりの価値観の問題でもあると同時に、文化政策という面でも、「文化財保護」と「芸術文化振興」とで縦割りになっている問題でもありますね。
芸術文化振興を期待する人々にとっては、文化財保護の方が、比較的、一定の政府予算を獲得しているように思えるような面もあるようです。私は、必ずしもそういう見方が正しいとは思いませんが、そう思う芸術文化関係者の気持ちも、理解はできます。が、そもそも「文化財保護」と「芸術文化振興」という断絶が発生している社会的背景を考えたいところですね。

カムイ さんのコメント...

民俗芸能を見ていると、宗教的な面もあれば、かなり「アートだな」と思う色使いや、体の動きなどもあれば、その地域の交流の場になっている面もあり、なかなか「一つの側面」では捕らえられない面がありますね。そういう「あいまい」の部分を大事にしながら文化財にしても芸術文化にしても盛り上げていけるのが理想ですね。ただ、役所の方だけにそのすべてを任せるには荷が重過ぎるのも事実ですね。やはり、それだけ本来物事は「複合的」なんですね。

okuderazeki さんのコメント...

okuderazekiです。なんかパソコンかき回しているうちに思わぬ発見でした。ありがとうございます。岩手に移り住んで36年、仕事を通じて民俗芸能に魅せられて言うよりは、民俗芸能の実演者達の心に取り込まれて、今があります。今回の大震災で貴重な基層文化が後退しないように現地で頑張ります。今後ともよろしくお願いします。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

カムイさん
まったく仰るとおりです。複合的な性質を、複合的に捉えていくことが、大事だと思います。コメントありがとうございます。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

okuderazekiさん、コメントありがとうございます。
実は、okuderazekiさんに直接ご連絡して、相談させていただきたい件があります。来月、都内の小さなスペースで、私が今まで撮影した民俗芸能の映像を紹介する小さなイベントを企画しています。その企画に、何らかの形でokuderazekiさんにご協力をいただければ、と思っております。
ネット上だと連絡先を教えていただくわけにもいかないと思いますので、もしよろしければ、okuderazekiさんから、以下のメールアドレスに一報いただけると有り難いのですが。
torao2003@mac.com(大澤寅雄)
です。何卒よろしくお願いいたします。

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