2年ほど前だったと思うけど、アートNPOリンクの調査で沖縄に行った時に、たまたま公共ホールで、沖縄アクターズスクールの発表公演というのがありました。
多くの芸能人を輩出した団体だということくらいは知っていたし、誘ってもらったので観に行ったら、客席は満員で歌もダンスも上手、すごくショーアップされていて、楽しかったです。その客席には、おそらく米軍の人たちと思われる体格のいいお兄さんもそこそこいて、歓声や拍手を贈っていました。
いま思うと、あの米軍のお兄さんたちは、アメリカ文化にどっぷり浸かった日本人を、チョット流行に乗り遅れたケナゲでザンネンなイナカモンだと思ってたりしたのかなぁ、とか、彼らは琉球の歴史や伝統文化、沖縄で活動する同時代のアーティストの表現に、触れたことがあるのかなぁと思ったりします。
私は、米国政府の人から、報道されているような偏見や差別を含む発言があったとしたら、それは外交や防衛の問題だけじゃなくて、文化の問題でもあると思うのです。私はアメリカの文化には好きなものもたくさんあるし、リスペクトもするけれども、国家戦略としての「ソフトパワー」という概念は、どうしても好きになれないし、それによってグローバルな文化支配が進行することには抵抗したい。それには、国家同士のソフトパワーの対決ではなく、グローバル化、画一化、均一化で覆い尽くそうとする文化に対して、ローカル化、差異化、多様化を促す地域固有の文化で対抗する以外にないと思うのです。
綺麗ごとの文化交流や国際交流ではなく、そこに生きる地域の人々のプライドを守り、偏見や差別やヒエラルキーを解消すべきだと思う。そういう局面で文化が必要とされる時代だと思う。
2 件のコメント:
文化が必要とされる時代、というのは本当にそうだと思うけれどアクターズスクールを楽しんでいた米軍のお兄さんたちは別に日本人をケナゲでザンネンなイナカモンだと思っていた訳ではないと思うなー
すぐ身近な所に立派な文化が存在しても彼らのアンテナにひっかからなければそれはないも同然なのであって、まさに彼らにとって沖縄とは、そして沖縄の文化とはそういうものなんじゃないかと思います。私は今、自分が逆の立場で生活をしていて強くそう思うのよ。
でもだからと言って彼らが未来永劫琉球文化に興味を示さず、そこに何も感じないのかというとそうではなく、それらが彼らのアンテナにひっかかるきっかけがあれば、状況は違って来るんじゃないかなぁ。
そこに住んでいる人たちだって何かのきっかけがあれば自分たちのプライドを持てると思うけれど、何もなければアメリカに追いつけ追い越せ的な風潮は世界中どこもおんなじ、という気がします。
まさに寅雄さんの仕事は双方の「気付き」の手助けでしょ。おきばりやす!(寅雄さんの言いたいこととちょっとズレちゃったかもだけど、このまま投稿します。お許しを!)
yukaさん、コメントおおきにです。
そうですね、米軍のお兄さんたちがどう思っていたのかは、ちょっとあのニュースの被害妄想気味の印象でした。
「そこに住んでいる人たちだって何かのきっかけがあれば自分たちのプライドを持てると思うけれど、何もなければアメリカに追いつけ追い越せ的な風潮は世界中どこもおんなじ」というところ、まったく同感です。
自分が自分の生まれ住む場所に対するプライドを持つこと、どこに対しても、誰に対してもリスペクトを持つことができるような「気付き」を、手助けしたいっす。声援、感謝です。
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