2.16.2009

仏政府の「景気」刺激策

2月16日付のFuji Sankei Business iの「文化遺産保護に景気刺激策の天恵」という記事から、引用させていただきます。
経済危機が、パリのノートルダム寺院に天からの贈り物を授けようとしている。
仏政府が景気刺激策として、これまでなおざりにしてきた文化活動の予算拡大を打ち出した。これに伴い同寺院は200万ユーロ(約23億6700万円)の支援を受け、今年5月から尖塔装飾の復元工事に着手する。
パリの空にそびえる尖塔の高さは約45メートル。18カ月間にわたり、屋根職人や足場組立工、彫刻家といった技術者の雇用が生まれる見通しだ。
「こんなことを言ったら申し訳ないが“危機万歳”だ」
こう打ち明けるのは、664年の歴史を持つ同寺院の先端部分の工事を担当する建設技術者、ベンジャミン・ムートンさん(60)。「歴史的遺産に資金を投じて職人の仕事を確保するという政府の決定には、拍手を送るしかない。このご時世に、文化的価値の高さをよく分かっているよ」と感心する。
ノートルダム寺院は、サルコジ仏大統領が2日に発表した総額260億ユーロの景気刺激策で割り当てられた、同国の252の文化遺産の一つ。世界有数の人気観光国でもあるフランスは、歴史的建造物の予算として2012年まで年間1億ユーロを追加計上した。道路や自動車産業支援など1000件の公共事業プロジェクトの一環だ。
(中略)
アルバネル文化・コミュニケーション相はインタビューで、年間8200万人が訪れるフランスにとって文化遺産は「誇りであると同時にビジネスの資源」と強調。「文化部門」は40万人の雇用の象徴であり、そのうちの10分の1を占める技術者の貴重な専門知識は、経済危機とかかわりなく守っていかねばならない、との考えを示した。
同相はその上で「危機に直面したときは、何事も独自性を持つことが重要になる。だからこそ、刺激策の一部に文化遺産が盛り込まれた。フランス固有の文化を保護する手段だ」と指摘した。

漢語から来た「景気」という言葉の語源を、フランスの方がよく理解しているみたいですね。

0 件のコメント:

archive