1.05.2008

紅白歌合戦の視聴率

毎年、正月を明けると必ず新聞の社会面の右下の方に、紅白歌合戦の視聴率の結果が報じられますね。このところずっと紅白の視聴率が低迷しているという話ですが、どうしてこんなに紅白の視聴率が社会的な関心を集めるんでしょうね。そもそも視聴率が高い、低いというのは、CMを流しているスポンサーと、それに支えられている民間放送にとって大事な要素かもしれないけれども、公共放送のNHKの視聴率が低迷することへの批判があるとしたら、それは「公共」の役割について、かなり認識がズレているような気がするんですよ。
「NHK受信料の窓口」というサイトに「なんで受信料を払うの?」というページがありました。この中に“この受信料制度があるからこそ、NHKは視聴率や特定の勢力の影響にとらわれることなく、視聴者の要望にこたえることを唯一の指針とした番組作りができるのです”という言葉があるのです。
これは注意して読まないと、「視聴者の要望にこたえれば、視聴率が高くなるはずではないか」という論理を招かないのだろうか。それは、例えば政治の世界で「国民の要望にこたえれば、支持率が高くなる」という考え方にも似ているような気がする。視聴率も支持率も、その数値の高さは必ずしも質の高さと比例しないでしょう。
先日のブログで「たぶん、民主主義には“リテラシー”が必要なんだろうなぁ」と書きました。視聴率や支持率という数字は、あたかも数値が高いのは公共的で、低いのは公共的ではないような印象を与えて、その先にある実態を考えることを停止させてしまう力があるんじゃないかと思うんですよね。だから、読解力が必要。ただ、視聴率が高い番組や支持率の高い政治家って、人々の読解力を萎えさせてしまうことがあるような気もするから、とても厄介ですね。
視聴者の一人として私がNHKに要望するのは、とにかく民放と同じような番組は作らないでほしい、ということかな。

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