滋賀の実家に帰りました。実家のおとなりさんはプロテスタントの教会で、私が生まれる前からフィンランド人のロポさんという牧師さんがいました。一昨年、ロポさんは牧師の仕事を定年を迎えて母国のフィンランドに帰られたんですが、このお正月に日本に用事があって、おとなりに数日間滞在されていました。それで、私の実家にも顔を出してくれたので、お茶を飲みながら話ができました。
ロポさんがいてくれたおかげで、私にとってフィンランドはとても身近な存在だったわけですが、その国の印象は時代とともにずいぶん変化しました。かつては森と湖の国、ムーミンやサンタクロース、作曲家のシベリウスを連想したのが、最近では携帯電話のNOKIA、コンピューターのOSのLINUX、建築、デザインを連想することが多くなりました。そしてこの数年では、OECDの学力比較調査でフィンランドの教育に日本からの注目が集まりました。
ロポさんとフィンランドでの教育の話題に及ぶと、流暢な関西弁で「いや、そんな特別なことしてへんねん。授業の時間は長くないし、休みもたっぷりあるし。ただ、子どもが自分自身で考えるっちゅうことを大事にしてる。例えば、保育園のときに遠足に行くやろ。保育園の先生は遠足に何を持ってきなさいとは言わへんねん。何を遠足に持ってくのか、子どもに考えさせて、それを絵に描かせる。子どもは描いた絵を親に見せて、遠足に持っていくものを親と相談して決めてもらうんや」。
「けどな、フィンランドでもいじめはあるし、子どもの面倒をみない親もいる。アルコール中毒になる子どもとかも問題になってるしなぁ」と。どの国も、学力比較だけでは見えない教育の課題があるし、比較して上位の国に倣えばいいというものではないんでしょうけれども、自国の状況を対象化して見るために、とても参考になりますね。
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