6.01.2011

新寄付税制&NPO法改正のことから、いろいろ考えました

5月26日付のNPOWEB「【速報】5・25緊急集会、NPO法改正案が公表」より引用させていただきます。
5月25日、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)は、「今国会で新寄付税制&NPO法改正の実現を!5・25緊急院内集会」を東京・永田町で開催した。当日は、NPO関係者ら400名超が参加。NPO議員連盟から、特定非営利活動促進法(NPO法)改正案の概要が初めて公表され、各党での党内手続き状況が報告されるなど熱気あふれる歴史的集会となった。
私もこの院内集会に参加させていただきました。とても勉強になりました。私は今までしっかり勉強していなかったために、新寄付税制とNPO法の改正案を過小評価していたと反省しました。この法改正は、大震災の復旧・復興が急がれる今こそ実現されるべきだし、長い目で見ても日本の市民社会の形成にとって非常に大きな転換点になると思います。もちろん、すぐに目に見えて圧倒的に社会が変わるわけではないけれども、少なくとも「子ども手当」とか「定額給付金」といった近年の近視眼的な政策に比べれば、断然、今回の新寄付税制&NPO法改正の方が意義深いと思います。ただ、それも状況が非常に先行き不透明。何も今、不信任案を出さなくてもいいじゃないか。この法改正が今国会で成立することを、国民の一人として、強く期待ます。
素朴な問い掛けとして、今、どのくらいの人が、国に税金を払うことに納得しているんでしょうかね。私は、国に税金を払うよりも(まぁそんなに大した額じゃないけど)、自分が信頼できて、国が公益的な活動だと認める法人に寄付をしたいし、その寄付金額を、国に支払う税金から差し引いてくれるならば、より寄付に積極的になれると思う。何でもかんでも国の手で社会保障やサービスを担って、それで政治家や官僚の利権が肥大化して、その財源の確保で増税したり国債を発行して子どもや孫が重税に押し潰されるなんて、本当にバカげていると思わないですか?
寄付の話題になると必ず、欧米のキリスト教を背景とする寄付文化が日本には根付いていないから、という話になりますが、私は、日本には日本の寄付文化が根付いていると信じて疑わないのです。寄進や勧進という行為があったわけで、今でもそれが根強く残る地域もある。それによって有形無形の文化財も受け継がれてきたわけだし、地域の文化を受け継ぐことによって寄付文化も受け継がれてきたはずです。
考えてみれば、日本の古代から中世にかけて公領と荘園が並存し、荘園は寄進によって成立していたのだから、今回の新寄付税制&NPO法改正は、荘園制度に萌芽があったと言えなくもないんじゃないかなぁ。それを文化的に見ても、公領を土台にして成長した雅楽などの芸能と、荘園を土台にして地域に残されてきた各地の民俗芸能との対称性は、現在の、文化庁の助成を受けている芸術活動と、地方自治体との協働や民間の助成機関に支援されるアートNPOとの対称性に、似ている気もします。ちょっとザックリしすぎかな?

6 件のコメント:

たかさき さんのコメント...

>今、どのくらいの人が、国に税金を払うことに納得しているんでしょうかね。

今払っている税金は、国債という形で過去に国が作ったものや、今つくって将来に残るものにも使われています。

今、この国に、あるものに気づき感謝する力があれば、いくらでも納得できると思います。

その上で、改善してもらいたいと思う点は、むろん多々あるわけですが・・・

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

たかさきさん、ありがとうございます。
でも、私は納得いかないものも、相当あるなぁ。
今までは納得していたことでも、これからはそんなに簡単に納得しないぞ、と思うようになりました。
一方で、そもそも私たちは国に依存しすぎていたことを反省しつつ、市民が志民を支え合うことを当事者として実践したいとも思っているんですよ。

たかさき さんのコメント...

使われ方に納得いかないのは、私も多々あります。ですが納得いかないものをあげていっても、税金の使われ方の10%位だと思うのです。
90%には納得しており(というか信用して)
なので、払うのには納得いっています。

使われ方に納得いかないのと払うのに納得いかないは別に考えてみても良いかもしれません。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

使われ方に納得いかないのと払うのに納得いかないは別に考える、というのは、なるほどなぁと思いました。
納得のいく払い方について、どんどん声を挙げましょう。
納得のいかない使われ方にも、どんどん声を挙げましょう。

カムイ さんのコメント...

日本なりの寄付あったと思います。それこそ、お祭りには町人が莫大なお金を出して行なったものが各地にたくさんあります。これも寄付のひとつの形。結局形には残らない部分もありますが、すごく地元還元型で僕は好きです。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

カムイさん、ありがとうございます。
そうなんです、日本なりの寄付があったということを、いまこそ再認識すべきだと思うのです。

archive