日本文化芸術振興会が「文化芸術活動への助成に係る新たな審査・評価等の仕組みの在り方について(報告書案)」へのパブリックコメントを募集し始めていて、にわかに、反応が表れていますね。
私もざっと目を通して、パブコメを提出するまでにはもう少し読み込まなければならないと思っていますが、所感として以下のようなことをメモしておきます。
一つは、そもそも「諸外国のアーツカウンシルに相当する新たな仕組みを導入する」ための器(うつわ)として、独立行政法人日本文化芸術振興会が適切なのかどうかということ(閣議決定された「文化芸術の振興に関する基本的な方針について」に話を戻すことになるのでしょうけれども…)。
もう一つは、現在の助成事業の課題にも「審査委員の目に触れることが少ない設立間もない団体や地域の団体が不利になる可能性がある」「東京に比べて地方の公演調査が少ない状況」とあるが、今回の報告書の中で、地方に対して目が行き届く体制が見えてこないこと。
ただし、私は、国がアーツカウンシルを設置すること自体に過度に期待するのではなく、各地に「地域版アーツカウンシル」が設置されて、そこには個人や民間企業の寄付や協賛が集まり、自治体からの支援や国のアーツカウンシルからの助成金のリグラント(再助成)もあり、県庁所在地だけでなく小さなまちで活動する芸術団体やアーティストにも目が行き届く仕組みを作った方がいいと思っています。
また、今回の大震災からの復興で、まず、東北にアーツカウンシルが立ち上がるといいなぁと思ったりもしています。それは、国が上から作るのではなくて、東北の芸術団体やアーティストが自ら声を挙げて作っていくべきだとも思います。
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