1.14.2011

文化庁に感謝、それから期待

すでに各方面から情報が回っていますが、来年度の文化庁による次代の文化を創造する新進芸術家育成事業では、従来の助成制度から変更になりました。従来の助成額の上限である「助成対象経費の1/2」と「自己負担金の範囲内」という考え方がなくなったというものです。
私は、この制度変更をとても歓迎します。ささやかですが、従来の制度の問題を認識し、改善を訴えていたひとりとして、文化庁に感謝したいと思います。文化庁に限りませんが、行政機関は、圧倒的に苦情や要望を聞く立場で、国民や市民から仕事を評価されたり感謝されることは希少な立場だと思う。そりゃ仕事に対するモチベーションを損なうのも当たり前で、結果として「事なかれ主義」「前例主義」「責任回避」にもなるでしょう。だから、今回の改善でこれまでの苦労が報われる関係者は、ちゃんと評価や支持を表明すべきじゃないかと思うんです。
と同時に、より一層、文化庁に期待することも明確に表明したいのです。私としては、今回の改善が、あくまで人材育成にかかる事業に適用されているわけですが、人材育成以外の文化庁のプログラムも、それに芸術文化振興基金も、同じ改善を実現してほしいです。その改善に対する私の期待は、国家予算に対する文化予算比の増加や劇場・音楽堂法(仮称)への期待よりも大きいです(私の場合は、です)。
さらに期待したいのは、日本版アーツカウンシル(仮称)の議論で、これを、公益法人制度や寄付税制の改革、地方分権・地方主権の政策の動向と歩調を合わせて、国・東京主導ではなく、民間・地域主導での議論やアクションを支援、促進することに期待したいです。
どうか文化庁さま、よろしくお願いします。
とはいうものの、過度には期待しませんよ。私は国や政府セクターに期待するよりも、公共・公益を担う個人や民間に大きな期待をよせますからね。

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