12.06.2010

二十歳の企業メセナ協議会

一昨日、(社)企業メセナ協議会が主催した「メセナフォーラム2010」の2日目の「感じて、語る、メセナ・カフェ」に参加しました。「ワールド・カフェ」という対話手法を試みたものだったのですが、想像以上に楽しく、有意義な時間でした。
とにかくまぁ参加者の顔ぶれがすごくて、文化庁長官、(財)地域創造の理事長、NHKの会長、資生堂の名誉会長、などなど(もし名前が漏れてて失礼があったら本当にごめんなさい)とも対等に、直接、間接的にテーブルを囲んで意見を交換していたわけです。しかも朝10時から夕方17時まで。こうした場をセッティングしたメセ協の事務局には、本当に頭が下がります。
その中で「メセナの20年を振り返る」というプレゼンテーションがあったのですが、改めて、企業メセナ協議会が日本の文化・芸術に果たした役割の大きさに気がつきました。
企業メセナ協議会は、助成認定制度というシステムを創り、それによって「民から民へ」の金の流れを生み出しました。国や自治体が国民から税を集めて公金を配分するというシステムとは根本的に違っているわけです。文化・芸術に対する「民から民へ」の金額の規模は、公金の配分よりも小さいかもしれませんが、金額だけではない、共感、知恵、場所、モノの提供が、どれほどこの20年間の文化・芸術の支えとなり、牽引力となってきたか。
しかも、助成認定制度によって支援や牽引されてきた文化・芸術の多様性と創造性。20年分のメセナアワードを振り返ると圧倒的な厚みとして感じられます。今年のメセナ大賞が中村ブレイス株式会社という、地方の小さなまちの小さな会社が行ってきた、唯一無二の取り組みに与えられたということは、企業メセナ協議会が何を大事に考えているのかを、端的に示すものだと思いました(と同時に、なぜ国の文化政策にはそれが見えにくいのだろう、ということも考えさせられました)。
企業メセナ協議会、設立20周年、おめでとうございます。そうか、私が二十歳の時にメセ協さんは生まれたのか。すごい成長ぶりだなぁ。私、2倍も年食ってて、ちょっと恥ずかしい。とほほ。

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