10.22.2010

久しぶりに、劇場法(仮称)のことを書きます

twitterに、いろいろ劇場法(仮称)についてつぶやいてしまいましたが、字数が限られているので、こっちのブログに、いま考えていることをメモします。もちろん、個人の見解で、どんな立場や団体の考えを言うものではありません。
まず、賛成か反対か、と聞かれたら「賛成です」と、とりあえず表明します。
とりあえず、というのは、法が成立したら公立文化施設が圧倒的に変わるかというと、そんなことはないだろうと。結局、公立文化施設の設置者である地方公共団体が、劇場法(仮称)が求められている背景や課題を理解して、自らのホールや劇場を変えていく意志を持たないと、何も変わらないと思うのです。地方公共団体に、その意志を持たせるためには、法律は効果的かもしれない、という点で賛成ではあります。
例えば、博物館法がなければ、優れた博物館や美術館は存在できないかというと、まったくそうじゃないだろうと。ただ、博物館法によって、あるナショナル・スタンダード(と言っていいのかな?)を参照することは有効だと思います。でも結局は、設置者である地方公共団体が「ウチの博物館、美術館は、こうありたい」と思うことが、あり方を決定するわけで、そこは国が「こうしなさい」という話じゃない。
もう一つ、私が劇場法(仮称)に過度に期待しないのは、今年度から始まった文化庁の「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」の採択結果を見て、うーん、正直なところ、何をもって「優れている」と考えているのかよくわからないと思ったからです。
これは審査された方々をまったく責めるわけではありません。想像するに、できるだけ、地域に偏りなく(もしかしたらジャンルも配慮したのかな?)採択しようとした結果、こうなったんだろうと思いました。たしかに、国が支援する対象の地域格差を拡大させてはマズいと思うのですが、それにしても、これでは競争になっているとも思えないし、公平であるとも思えない。
結局、私の考えは、国レベルで法の議論をすると同時並行で、地方公共団体でも自らの文化振興をどうするのか、議論が必要だと思ったわけです。
もし、読まれた方で不愉快な思いをされたとしたらお詫びします。また、認識が間違っていたり、論点がズレてたりしたら、ぜひ、コメントしていただければと思います。

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