10.14.2010

家、持ち上げました (2)

一度は家を持ち上げる気が萎え萎えになっていたところ、森さんのおかげでヘルメットを借りることができて、再びテンションがアゲアゲに。企画者から、家を持ち上げるためにわざわざ設置した担ぎ棒の、どの部分を担当するか、グループに分けられました。
さっきから現場を仕切っているメンバーが関西弁であることが気になっていたんですが、この企画集団は「ORERA」というユニットで、京都造形大学の1年生を中心にしたチームらしい。京都造形大、だから関西弁なのか。大学1年生ってことは、こないだまで高校生だったんでしょ君ら。そりゃ現場を仕切るのもギコチないわけで。ましてや北本市民じゃなく、ヨソモノで、さらに関西弁で、困ったことにワケの分からないことをやろうとしている。そりゃ、彼女/彼らが懸命に仕切ろうとしても、イマイチぴしっとしない。はっきりくっきりアウェーな空気なわけです。
しかし、私も関西人。彼女/彼らの熱意は十分に伝わるわけで。分かれたグループごとに、家の中と周囲に張り巡らされた担ぎ棒のエリアに移動する。ORERAのメンバーはグループごとに分かれて、担ぎ棒の持ち方、力の入れ方、持ち上げるタイミング、降ろすタイミングを指導する。
「すんませーん、いいですかー、アタシが『せーのー』てゆうたら、みんなで一斉に『うおおおおおおー』ゆうて大声出して持ち上げてください、そんでアタシが『1、2、3』ゆうたら、全員でゆっくり降ろします、分かりますかー?」と、ORERAのメンバーの中でも、もっとも背が低くて幼く見える女の子が、関西弁で説明する。ヘルメット200人の反応は薄い。ますますアウェー。いかんいかんこんな低いテンションで家は持ち上がらんぞここは関西人の俺がひとつ率先してテンション上げたらないかんぞ。意を決して、よっしゃ、分かった!と声に出してみる俺。・・・うううマズいぞ今の俺の声で周囲が引いてしもたがな俺だけ浮いてるんとちゃうか輪をかけてアウェーな状況ちゃうか。いや、ひるむな俺ひるんだら負けや多少は浮いてもテンション上げていかなアウェーで戦えへんぞ。そしてORERAの女の子が「ほしたら、力は入れんと声だけ予行演習しまーす、せーのー」うおおおおお・・・おぉ、みんなテンション上がってきた、でっかい声でてきたぞ、しかし降ろすタイミングの1、2、3の号令がまったく聞こえへんかったぞ。降ろすタイミングが分かりませーん。ORERAのメンバーがしばらく相談、「ほしたら『せーのー』のあと、短く『うおー』ゆうてから、あとは心の中で『おおおおお』言いながら気合いをキープしてください」・・・うーん声に出さんと心の中で叫ぶので気合いをキープできるかどうかイマイチ俺的には納得いかん方法やけどしゃあないそれでやってみよ。よっしゃ、分かった!
気がつくと、家の周りに集まった見学者が幾重にも列を作って息を飲んで見ています。そして数回の予行演習のあと、いよいよ本番。「じゃあ、今の声の調子で担ぎ棒を持ち上げてみまーす。まず、7割くらいの力で持ち上げてみてください」えええ、7割?そんな器用な加減できるかいな。しかし一気にエネルギー全開で持ち上げてギックリ腰になったりするのもマズいな、たしかに。よっしゃ、7割で!「はーい、行きまーす、せーのー」うおー、お、お、お?も、も、持ち上がってんのちゃうの?周囲から歓声。「持ち上がりましたー!」うわー、上がった!上がったんや!
「いや、ちょっと待ってくださーい」な、な、なんやなんや?「家の対角線の反対側のとこだけ持ち上がってへんかったみたいです」くっそーしぶとい家やなそらあ持ち上げたことにならへんやないか完全に浮かさないかんぞこうなったら。しばらくORERAのメンバーが、持ち上がらなかった部分の検証をしている様子。「はーい、オッケーです、ほな最後の本番いきまーす。最後は、思いっきし100%の力でお願いしまーす」おう!分かった!まかせとけ!今度はすごいことになるぞ。見とけよー!
・・・どうも話が長くなるねえ。この後の話は、また次に。

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