9.07.2010

助成機関の実績は、どう評価すればいいのか?

たまたまGoogleリーダーで引っ掛かってくれたんですが、「独立行政法人日本芸術文化振興会の平成21年度に係る業務の実績に関する評価」というのがPDFで公開されています。
(独)日本芸術文化振興会は、芸術文化振興基金を運用する助成機関(文化庁の主要な助成事業もここに窓口が一元化された)であると同時に、国立劇場などの管理運営や公演を行う機関で、昨年度の事業仕分けでも厳しい評価を受けた機関です。この評価報告書はかなりのボリュームで、ほとんど目を通せていないのですが、こんなに評価項目があると、評価される側も、評価する人も大変だろうなぁというのがまず思ったのが一つです。
私がいま関心があるのは芸術文化振興基金による助成なんですが、PDFデータの7ページ目の「1 文化芸術活動に対する援助」で、評定としては「A」(S、A、B、C、Fの5段階)となっています。「主な実績及び自己評価」の欄を読むと、いろいろ努力されていることは分かります。
ただ、努力する方向性というか、求める成果が、いまひとつピンとこないです。何件申請があって何件に交付した、とか、どれだけ事務を効率化した、とか、どれだけ広報活動をやった、とか、そういうことが実績評価なんだろうか?ま、そういう成果もたしかに大事だとは思いますが、大事なことは、助成したことによって、どのくらい、あるいはどのように文化芸術の振興が図られたのか、ということじゃないのかなぁ。
助成対象活動に係る「助成の効果」について調査した結果(PDFデータの9ページ目)があるけれども、助成を受けた当事者が助成の効果をどう考えるか、ということだけではなく、助成した公演について、外部から批評的な立場で見ることも大事なんじゃないだろうか。例えば、助成を受けた団体が「外部から質の高いスタッフ・キャスト・展示品等の充実を図ることができた」と思っていても、その公演や展示を見た観客が「質の高さ」を実感していなければ、助成の効果があるとは言いきれないと思うんです。
「日本版アーツカウンシル(仮称)」は、そういうことが説明できる機関であってほしいと思います。

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