昨日書いた、地域文化の目に見えない「地層」ですが、実は、人にも「層」があるということを、ずいぶん前からパートナーの手塚夏子が言っていたのでした。
人は、母親の胎内にいるときから「層」を形成し始めていて、両親や先祖から受け継いだ層の上に、この世に産まれて層が徐々に形成されていく。人と出会ったり、学んだり、教わったり、楽しんだり、悲しんだり、傷ついたり、傷つけられたりしながら、その反応によって層ができて、それが人を形成する、ということだそうです。
手塚のダンスは、人にある層の、深層から体を突き動かすとか、表層から深層に向けて掘り下げていく作業を、作品として提示しているようです。また、場所にもきっと層がある、ということも手塚は以前にも言っていて、その土地や空間の深層にある何かが、体を動かしてしまうということがあるそうです。
なので、私が「文化資源によって『地層』が観察できる」というのは、手塚が「人には層がある」と言ってきたことから着想したものです。人にも、場所にも、層がある。厚い、薄い、固い、柔らかい、均質な、異質な・・・いろんな層が、人にも場所にもあります。そうした層の堆積が、人生だったり、歴史だったりするんでしょうね。
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