8.02.2010

今回の問題を契機に、日本版アーツカウンシル(仮称)の検討を

日本オペラ連盟の問題について、いくつかブログで書かれているものを読んだんですが、「失望した」「残念としか言いようがない」といった感想や、中には「私的流用じゃなければ刑事告発をしなくてもいいのか」「日本にオペラなんていらない」「文化庁自体廃止していい」といった意見もありますね。
おそらくですが、この問題について語りたい人はたくさんいると思います。が、語りたくても語れないという人も多いと思います(そういう意味では事業仕分けの時と状況が全然違いますね)。そうした人々にとって、「非常に悪質な不正行為があった」という文化庁のコメント(2010年7月27日付のasahi.com)は、あまりにも一方的に特定の団体の問題で処理しようとしています。ですが、結果的には特定の団体の問題に止まらず、国民の文化芸術全般に対する不審や軽視にしか繋がっていないと思いますし、助成を受ける団体に対する国からの監督が強化される一方になります。
このままだと、文化芸術活動の当事者と国民との距離は乖離するだけのような気がします。私は、助成を受ける側が改善すべきことと、助成する側が改善すべきことを明確にする、独立した第三者的な機関を設けてこの問題の本質を検証し、国民に説明するべきだと思います。
そして私は、そもそも文化庁が直接助成しているから発生している問題でもあると考えます。そういう意味でも、この問題の検証を契機に、先日の文化政策部会の審議経過報告にもあった「日本版アーツカウンシル(仮称)」の検討を早く進めるべきだと思います。

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