6.13.2010

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

京都橘大学の小暮宣雄先生がつぶやいていた宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」。そういう文章があるということは知っていたんですが、内容は初めて知りました。なるほどなぁ、と思ったいくつかの文章を拾ってみます。
序論
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
農民芸術の興隆
「曾つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた
 そこには芸術も宗教もあった
 いまわれらにはただ労働が 生存があるばかりである」
農民芸術の興隆
「職業芸術家は一度亡びねばならぬ
 誰人もみな芸術家たる感受をなせ
 個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ
 然もめいめいそのときどきの芸術家である」
農民芸術の批評
「批評の立場に破壊的創造的及観照的の三がある
 破壊的批評は産者を奮ひ起たしめる
 創造的批評は産者を暗示し指導する
 創造的批評家には産者に均しい資格が要る
 観照的批評は完成された芸術に対して行はれる」
たぶん、多くの人は「農民芸術」という言葉を聞いて持つイメージがあると思うし、そのイメージに対して好き嫌いとか、正しいとか間違っているといった価値判断があると思います。私も「農民芸術」と聞いて、そういう方向にどっぷり浸かることはできないなぁと思っていました。でも、書いている内容で、共感するポイントは多々ありました。あと、ヨーゼフ・ボイスと似ているなぁとか。そんなにボイスのことも知っているわけじゃないのに、ちょっと知ったかぶりして書いてみたりして。
と思って調べてみたら、こんな論文も発見したりして。

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