菅首相の就任会見で「政治の役割は最小不幸の社会を作ること」という発言がありました。
私は、最小不幸の社会を作るということはは、ある意味では、アートの役割も同じだと思いました。もちろん、ある意味でアートは「個人の最大幸福」の追求でもありますが、アートNPOに関わっている人は、アートは「社会の最小不幸」のためにある、という認識を持っていると思います。
例えば日本では、古来から、五穀豊穣、厄除け、魔除けのために地域の神事、祭礼、儀礼があったわけで、それは、人間の術ではどうにもならない災害や飢饉や疫病といったものに対する祈りでもあったと思うんです。そこで、祖先や神や仏に、音曲や舞や木彫を奉納して「最小不幸」を祈ったのだと思います。
いま、政治や経済といった人間の術ではどうにもならない世の中の課題があるからこそ、「最小不幸の社会を作る」というアートの役割を信じて、アートNPOは活動しているんじゃないかと私は考えています。
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