6.14.2010

京都大学霊長類研究所は、おもしろい。

以前、ブログに書こうと思っていて書きそびれていたニュースがあったんです。4月27日付の京都大学霊長類研究所の発表による「死んだ子どものミイラを運びつづけるギニア・ボッソウにすむチンパンジーの母親たち」。
1992年、2歳半の子ども(ジョクロ)が呼吸器系の病気で死亡した。数週間で死体は完全にミイラ化し、母親のジレは27日以上も子どもの死体を持ち運んだ。
2003年末の乾季には、ボッソウで呼吸器系の伝染病が流行した。5人のチンパンジーが死亡して、群れのメンバーは19人から14人に激減した。死亡したチンパンジーの中には、1歳のジマトと、2歳半のベベという2人の子どもが含まれていた。母親のジレとブアブアは、それぞれ68日と19日にわたって死んだ子どもの体を運びつづけた。
(中略)
本論文とともに、飼育下で老衰のため亡くなったチンパンジーの死亡前後に、他のチンパンジーがどのような行動をみせたかについての報告も掲載される。ヒトにもっとも近い生物であるチンパンジーは、死についてどのように理解しているのか。死と直面した際の彼らの行動を詳細に記述して知見をつみかさね、ヒト以外の霊長類で初の科学的な死生学(Thanatology)への第一歩となる画期的な報告といえるだろう。
で、今日、やはり京都大学霊長類研究所に関して、こんなニュースが。6月14日付け、YOMIURI ONLINE「サルはテレビを本当に楽しむ、京都大教授ら先端機器で確認」より。
テレビを見ているサルは本当に楽しんでいる――。京都大学霊長類研究所の正高(まさたか)信男教授らが、脳の活動を計測する先端機器を使った実験で、そんな事実を突き止めた。サルの気持ちは、怒りや恐れについては表情から読み取れるが、喜びについては類推するしかなかった。
(中略)
正高教授らは、近赤外光を用いて脳の活動を調べる「光トポグラフィー」という装置で、テレビを見ているアカゲザルの脳で活発に働く部分を特定。テレビで活性化した部分は、喜びの感情と関連がある「前頭葉」の一部で、人間の赤ちゃんが母親の笑顔を見て喜ぶ時に働く場所と同じだった。
テレビでは、ゾウやキリンが曲芸をするサーカスと、サルが毛繕いする様子を見せたが、サーカスのほうが脳の活動が高まった。動物園の単調な飼育条件を改善するために、動物にテレビを見せているケースが最近増えているが、今回の実験で、その意義が科学的に確かめられた形になるという。
すごいなぁ、京都大学霊長類研究所。そのうち霊長類のアーティストが生まれるんじゃないか・・・いやいや、最初から全ての霊長類はアーティストなんだろうな。

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