今まで「文化芸術の振興に関する基本的な方針」は、第1次基本方針、第2次基本方針とあって、今回は、その次期の方針の審議経過の報告です。
ざっと審議経過に目を通すと、今までの基本方針と違って、かなり踏み込んだ内容を、言い切る表現にしています。おそらく、文化政策部会の委員の意見が今まで以上にクリアに表現されている(逆に言うと、今までは委員が意見を言っても、文化庁サイドで曖昧にしたり表現を弱めていたんじゃないかと想像します)ので、かなり今までと様相が違います。
そうそう、これに関連して、6月5日付のasahi.com「文化『省』 格上げ提言 『首相交代、痛手』の声も」という記事がありました。記事の最後に基本方針の要点がまとめられていたので引用させていただくと、
文化政策部会が掲げた重点施策こうした内容が「基本方針」に記述されるのは、今までを考えると異例ですね。というよりも、今までの抽象的で実効性の薄い方針が異例だとも思うんですが。
・芸術活動の支援制度を見直す。団体が集めた寄付金に応じて助成する制度を導入
・助成にあたって、専門的な審査・評価をする機関、「日本版アーツカウンシル(芸術評議会)」の導入に向けて検討する
・地域の核となる公共ホールなどへの支援を拡充。劇場法(仮称)も具体的に検討
・漫画の原画の収集や、博物館の資料台帳の整備などアーカイブ(保存・記録)事業
・街の文化的景観をつくる古民家の活用など「くらしの文化」の振興に着手する
こうしてみると、今までの日本の文化政策は「静止した文化」に対する施策だったのが、ようやく「動いている文化」に対応する施策に転換しようとしているんじゃないかと思いました。
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