4.23.2010

高萩さん、コメントありがとうございます

劇場法(仮称)について書いたエントリーに、東京芸術劇場の高萩さんにコメントしていただきました。高萩さん、ありがとうございます。あと、CP-NETにも流していただいたようで、畏れ多いというか何というか・・・しかし、こうして議論が広がっていくこと自体が、私は嬉しく感じます。
高萩さんが、私なりに整理した劇場法(仮称)で考えておきたいポイントに対して、とても丁寧に、高萩さんご自身のイメージを書いていただきました。おそらく、今後も議論を積み重ねながらイメージが具体化されると思うんですが、私としては、もう少し「そもそも論」を議論してもいいと思うんです(後になって「そもそも論」を論じるよりも、今、論じた方がいいでしょうから)。
そもそも、劇場法(仮称)が必要かどうか。まだ私は、賛成とも反対とも言いにくいです。おそらく、劇場法(仮称)の狙いの一つには、公立の劇場・ホールを、指定管理者制度の適用外に位置づけることがあると思います。私も、その方が望ましいと思います。ただ、法律がなくとも、設置者である自治体の行政、議会、住民の判断で、指定管理者制度の適用外とすることは、可能ではないかと思います。もちろん、法律ができることで、自治体の判断はしやすくなるとは思います。
また、劇場法(仮称)によって、自治体の文化政策において、国が自治体よりも優位な立場にあるとか、劇場が芸術家や芸術団体を選択する立場にあるといった、ある種のヒエラルキーが発生するような気がします。もしかしたらそのヒエラルキーは、これまでの文化政策の課題の改善には必要かもしれない、とも思います。
ただ、もし国が自治体よりも文化政策面で優位だとしたら、まず、国立劇場や新国立劇場のあり方を、「劇場・音楽堂」の条件に見合うものにしないと、どうも説得力がない気がします。また、劇場が芸術家や芸術団体を選択する立場にあるとしたら、いかにして芸術家側の権利(例えば表現の自由や、芸術的追求の実践など)を擁護して、対等な関係を築けるかが重要だと思います。
こう書くと、劇場法(仮称)に反対しているように読めるかもしれませんが、何度も書くように、私は、賛成とも反対とも言いにくいです。今は、建設的で健全な議論を続けていきたいと思っています。

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