2.16.2010

問いと向き合いながら生きる人

私は、ワークショップ「試行と交換」の記録撮影と、手塚夏子との共同作業による編集は、すごく楽しかったし、いろんな発見がありました。
複数のアーティストがジャンルを超えて、共通の問いに向き合って試行錯誤をする状況が、とても刺激的でした。この問いは、いわゆる「自分探し」という次元の問いではなく、人間が世界をどのように知覚して、どのように世界と接点を持ち、コミュニケートしているのか、ということを、彼ら/彼女らなりの方法で捉えようとしているものです。
私はこの試行錯誤の状況を、何で生きているんだろう、何で生まれてきたんだろう、という問いと向き合う人に見て欲しいと思いました。一見難解のように見えたり捕らえ所がなかったりするけれども、こんなに訳の分からない、何の役にも立たない問いに、必死で向き合っている人間がいます。彼ら/彼女らは、その問いに向き合わざるを得ない。
それは、何で生きているんだろう、何で生まれてきたんだろう、という問いと向き合う人に、何か与えてくれると思います。1年に3万人を越える人が、1日に100人近い人が、生きることの問いに向き合えずに自分で自分の命を捨てている。命を捨てる前に、問いと向き合いながら生きている人に出会えればいいのに、と思います。
それも、社会に対するアートの役割だと思います。

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