「住んでいる地域の文化的環境,例えば,鑑賞機会,創作・参加機会,文化財や伝統的まちなみの保存・整備などに満足しているか聞いたところ,「満足している」とする者の割合が52.1%(「満足している」14.1%+「どちらかといえば満足している」 38.0%),「満足していない」とする者の割合が35.3%(「どちらかといえば満足していない」22.9%+「満足していない」 12.4%)となっている。「満足+どちらかといえば満足」が52.1%で、「どちらかといえば不満+不満」が35.3%。これを見ると満足している方が高い割合ですが、5つの選択肢別に見ると、「満足」が14.1%で「不満」が12.4%。反対の選択肢が拮抗しているところに注目。
都市規模別に見ると,「満足していない」とする者の割合は小都市で 高くなっている。小都市で高くなっている、ということは、より小さな規模の町村よりも、小都市の方が満足していないわけですね。それも興味深いです。
年齢別に見ると,「満足している」とする者の割合は70歳以上で,「満足していない」とする者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。満足する割合が70歳以上で高く、不満の割合が50歳代が高い。50歳代というと、子育てが一段落して鑑賞機会や創作・参加機会に欲求が高まるのかもしれませんね。
住んでいる地域の文化的環境を満足できるものとするために,何が必要だと思うか聞いたところ,「子どもが文化芸術に親しむ機会の充実」を挙げた者の割合が38.9%と最も高く,以下,「地域の芸能や祭りなどの継承・保存」(28.6%),「ホール・劇場,美術館・博物館などの文化施設の充実」(28.3%),「歴史的な建物や遺跡などを活かしたまちづくりの推進」(23.8%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)この設問で、「子どもが文化芸術に親しむ機会の充実」が地域の文化的環境を満足できることにつながる、という回答が最も多いということは、着目すべき点だと思います。つまり、この調査の回答者は20歳以上であって、「子ども」の当事者ではないにも関わらず、住んでいる地域の文化的環境を満足させるには、自らよりも、子どもが文化芸術に親しむ環境を充実させるべきだと考えているわけですね。
別の見方をすると、子どもが文化芸術に親しむ環境が充実していれば、大人も親しめる環境になるだろう、という思いがあるのかもしれません。
地域の文化的環境が充実することにより,期待する効果は何か聞いたところ,「子どもが心豊かに成長する」を挙げた者の割合が50.2%と最も高く,以下,「地域に住む人々が生きる楽しみを見出せる」(38.4%),「地域に住む人々の交流や社会参加が盛んになる」(37.8%),「地域に対する愛着が醸成される」 (32.2%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)ここでも「子ども」が最上位。やっぱり、子どもが心豊かに成長する環境であれば、大人も心豊かに生活できる環境になるだろう、という思いがあるんじゃないでしょうか。
年齢別に見ると,「子どもが心豊かに成長する」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「地域に住む人々が生きる楽しみを見出せる」を挙げた者の割合は50歳代で,「地域に住む人々の交流や社会参加が盛んになる」を挙げた者の割合は40歳代で,「地域に対する愛着が醸成される」を挙げた者の割合は30歳代で,それぞれ高くなっている。この年齢別の結果の違いは興味深いですね。それぞれの世代が「地域の文化的環境」に期待するポイントが違うことが面白いと思います。
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