11.17.2009

事業仕分けのあり方と仕分け人

次に事業仕分けのあり方そのものを考えてみたいんですが。
まず、仕分けの対象になった事業は、誰が選定したのか。数ある国の事業の中で、削減や廃止が可能な事業と、そうではない事業を、誰が選別したのか。事業仕分けの作業に比べて、仕分けられる事業の選別段階の行程が、相当不透明に思えます。
それから、仕分け人の任命は誰が行ったのか。どういう基準で任命したのか。一見すると、高名な有識者や社会的地位の高い方が多いようですが、仕分け対象事業の政策分野の専門家であるとは限らないようです。かといって、市民感覚を持つ人かというと、そう感じられない発言が多いです。
意見の中には、短い時間で重要かつ適切なご意見で、さすがだなぁと思うものもあります。しかしそれ以上に、専門家っぽいことを言っているけど、それは事実ですか?どうして言い切れるんですか?と疑いたくなる内容が多いです。
また、仕分け人の中で多様な見方がぶつかり合うようなこともなく、どの事業に対しても削減する理由探しのために集まった、という姿勢を感じます。予算要求の根拠や、事業の成果について厳しく問いただす一方で、削減や廃止する根拠は極めて粗っぽいし、削減の影響については、あまりに無自覚だという印象を持ちました。
文化政策に関して見ると、仕分け人のうち、文化芸術振興基本法という法があることをご存知の方はいらっしゃるのかどうか、疑いたくなります。何というか、法について無知な人間が裁判官を務めているようにしか見えないんです。
まるで戦争裁判だなぁ、と。戦勝国が敗戦国の戦犯を裁いている感じ。最初から有罪は確定していて、死刑か懲役何年にするかチャッチャと決めちゃいましょう、というような雰囲気を感じてしまうのは、私だけでしょうか。

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