11.27.2009

<文化裁判員>制度はありうるか?

準備期間を含めると、ほぼ3年間、運営委員として関わってきた東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」。以下のシンポジウムが3年間の集大成となります。私にとって、この講座が持つ意味は本当に大きいし、この講座での出会いがこれからの仕事に大きな影響を与えることになるだろうと思います。
それにしても、シンポジウムのテーマで〈文化裁判員〉という言葉が出てきた9月頃はピンとこなかったんだけど、行政刷新会議の事業仕分けによって、〈文化〉が〈裁判〉に掛けられたことを目の当たりにしたわけで、こんなにタイムリーなテーマになるとは思ってもみませんでした。
ぜひとも、この議論にご参加下さい。

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東京大学文化資源学公開講座
「市民社会再生―新しい理論構築に向けて」シンポジウム
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市民社会再生に向けて、<文化裁判員>制度はありうるか?
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日時 2009年12月12日(土)14:00〜17:30
会場 東京大学法文2号館1大教室
定員 150名
オンラインフォームよりお申し込みください。
詳しくはウェブサイトもご覧ください。

主催 東京大学大学院 人文社会系研究科 文化資源学研究専攻
協賛 パナソニック
後援 文化資源学会、日本文化政策学会
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長い目で見れば、裁判員制度は、おそらく、この夏の「政権交代」よりももっと大きな影響を日本社会に及ぼすことになるのではないでしょうか。
では、文化の領域で、どのように可能だろうかという問いかけを、シンポジウムで行おうと思います。芸術文化の価値とその振興策を誰がどのような仕組みで決定=裁判するのかという問題提起です。
ここでは「裁判」という言葉を比喩的に用います。決して、裁判制度を芸術文化の世界に持ち込むのではありません。
争いごとの裁定ではなく、価値判断や評価を下すこと、しかし、それが単なる個人的な判断に終わらず、社会に生かされる仕組みを考えようとすることを、「裁判」という言葉に託したいと思います。
いいかえれば、「裁判官」の世界に「裁判員」が参入することの可能性を問いたいと考えています。
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14:00〜14:15 3年間の総括と趣旨説明
木下直之(東京大学人文社会系研究科教授)

14:15〜15:15 話題提供「裁判員制度が社会にもたらしたもの」(仮)
三谷太一郎(東京大学法学部名誉教授)

<休憩:15分>

15:30〜16:30 3プロジェクトチームによる報告
project 1「戦後の文化行政、美術館、モダニズム建築を考える」
project 2「<所有>からアートの公共性を考える」
project 3「芸術文化振興施策に関する規範を考える」
各チーム代表者(3チーム、各20分程度)

16:30〜17:30 総合討論
司会=曽田修司(跡見学園女子大学教授)
小林真理(東京大学人文社会系研究科教授)
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連絡先 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室内
〒113-0033 東京都本郷7-3-1 tel/fax 03 (5841) 1251
e-mail: shiminsyakaisaisei@gmail.com
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