11.26.2009

国際交流基金の事業仕分け

行政刷新会議の事業仕分けが続いていますが、昨日、外務省の事業で、文化政策とも関係が深い独立行政法人国際交流基金の議論がありました。仕分けの結果、こうなったそうです。
運営費交付金:見直しを行う
「文化芸術交流は海外に重点化」するなど「見直しを行う」を結論とする。あまりにも客観的な評価が不足している。まだまだ議論、説明が不十分という印象を持った。今後は客観的な評価をきちんと提示できるようにしていただきたい。

今回の事業仕分けで、文化政策に関連する事業に共通するのは、「成果や評価を提示すべきだ」というコメント。たしかに、これまで文化事業は、実施した結果の検証が十分とは言えないと思います。ただ、文化において「何を成果とするか」が一義的ではあり得ないということと、果たして「客観的な」評価軸や評価手法が文化振興や国際交流を正しく誘導するのかどうかも分からないなぁ、と思ったりします。逆に言えば、仕分け人の有識者が求める「客観的な評価」とはどんなものなのか、教えていただきたいです。
とはいうものの、文化振興や国際交流の現場で関わる人間から、「こういう成果を求めて、こういう評価手法で検証します」ということに自ら取り組む必要はあるでしょうね。勘弁してくださいよ、事業をやるだけで精一杯なんですから、という声があちこちから聞こえてきそうだけど・・・。
それにしても、今回の事業仕分けで、政治家が脱・官僚や天下りの根絶を叫ぶことに基本的には賛成なんですが、事業によっては、現場を担うのは官僚ではなく、非営利目的の市民が担っていて、結果として、市民活動が相当弱体化しそうな気がします。もちろん、過度に政府セクターに依存してきた市民活動は自立に向けて努力することが必要だと思いますが、自立に向けたエンパワーメントの方策もないまま、急激に予算を削減することには、警鐘を鳴らすべきだと思います。

-----------------
sent from W-ZERO3

0 件のコメント:

archive