7.31.2009

「自分にはこれができる」というマニフェストの読み方

一昨日の企業メセナ協議会の公開フォーラムは、本当に有意義な機会だったと思います。とくに、フォーラムの事前に、各政党から公開質問状の回答を得ていたことで、フォーラムでの登壇者の議論だけでなく、文化に関わっている様々な立場の人々が、間もなく迎える選挙を「他人事ではない」ということに気がつかせてくれたと思います。
私がとくに印象に残ったのは、最後に別府からお越しになった鶴田さんが仰った言葉です。たしか、こういう趣旨でした。「活力が失われる地域には、必ず共通点がある。それは、地域住民が自分の地域の悪口を言うこと。当然、行政にも不平しか言わないし、誰も地域を良くするための行動を起こさない。そういう状況で地域再生なんてできるわけがない。」
鶴田さんの言葉を借りて、「地域」を「国家」に置き換えることも可能だと思います。驚異的な支持率の低迷が長く続いた中で、ただ不平や不満を叫んでも、良くなるわけがない。鶴田さんが仰るとおりです。私も反省しました。
なので、各政党のマニフェストも、「自分にはこれができる」ということを表明しようと思いました。「これが書いてない」「こんなこと書きやがって」「こっちよりあっちの方が正しい」とか、そういう批評も大事かもしれないけれど、「自分にはこれができる」という声をあげる、という方法を、私は取りたい。
いま思えば、オバマ大統領の「Yes, We Can」というフレーズは、彼の政策ビジョンについて、「自分にもできるんだ」という暗示を、国民にかけていたわけです。私は、他人やマスメディアから暗示にかけられるよりも、自分で考えたいですし、「どの党を指示するか」ではなくて「どの政策を実現したいか」「どの政策に自分は関わりたいか」という意志を表明したいです。
あと、政権を交代する、しないの二者択一の選挙にしてはいけないと思うんです。4年前に、民営する、しないの二者択一で選挙をした結果、たくさん問題を生んだのと同じプロセスだし、まったく政策を問いかけていないからです。4年前にやられた手法でやり返して、テレビも再放送かと思うくらい同じ構図で伝えている。私は有権者をバカにしてほしくないと思うんです。みんな、バカにされてると思わないのかなぁ?
いかんいかん、つい不平不満が出ちゃうなぁ。
要するに、今回の選挙は、政治に対する国民のリテラシーが問われているんだと思います。

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