7.13.2009

日本も他人事ではない

7月13日付けのSeachina「ウルムチ暴動を在日から見ると……日本も他人事ではない」から、最後の部分を引用させていただきます。
一方で、今回の事態は日本にとっても他人事とはいえないはずです。日本を「単一民族社会」とする言説はさすがに減ってきたようですが、少子高齢化による労働人口減を外国人労働者の大量受入で埋め合わさざるを得ない現代にあっても、日本には「マイノリティ政策」の概念は薄く、あるのは相変わらず法制度による「外国人管理」ばかりです。折りしも去る7月8日、国会で審議中だった難民認定および出入国管理法改定など新しい「外国人在留管理」を目指す法案が参議院で可決、成立しましたが、個人情報を詰め込んだICチップつき在留カードを新設して常時携帯させる条項など、外国人を「住民」として社会的に受け入れるよりは常に管理監視が必要な敵対的存在に追いやるかのような法の基本思考に、当該の在日外国人や日本の市民団体から強い批判が出されています。一方で近時には「在日特権」という言葉が特定の若者たちの心をつかみ、在日外国人や少数民族を標的にした排外主義が顕在化する動きも見え始めました。程度の差はありますが、これはウルムチの民族対立や民衆間憎悪の構図とどれほどの違いがあるのでしょうか。
漢族青年たちが手にしていた光り輝く鉄パイプの映像を、日本社会のマイノリティである私は心の底から恐ろしいと思います。(執筆者:鄭雅英 立命館大学准教授)

0 件のコメント:

archive