7.07.2009

ペストフの三角形とニュー・コンパクト

公開講座「市民社会再生」のプロジェクト「『所有』からアートの公共性を考える」に参加して、曽田先生から教えていただいた「ペストフの三角形」が、このところ、ずっと頭の中にあります。以下は、いまの私の頭の中を整理するためのメモ。
ペストフの三角形で言うところの、国家、市場、コミュニティという3つの組織のあり方のうち、近代以降は、国家と市場の社会に果たす領域が拡大した一方で、コミュニティの領域は矮小化した、と言えるでしょう。
しかし21世紀に入り、国家においては官僚への権限集中と市民の依存が肥大化し、市場においては金融経済のバブル崩壊が実態経済に影響を及ぼす自体になりました。コミュニティは、地域コミュニティに代わるインターネットを介した仮想空間のコミュニティが地球上を覆いました。例えば、国際的なテロ組織の存在も含まれるでしょう。
そういう状況だからこそ、コミュニティのあり方を、改めて捉え直すべき時期に来ているんじゃないか。近代以前はコミュニティが社会に果たしてきた役割を、現代ではあまりにも国家と市場に委ねてしまった。さらに今も、国家と市場の間で「公共」が揺さぶられているわけです。郵政問題にしても、指定管理者制度にしても。
そこで、現代社会にあるべきコミュニティの姿を、構築し直す必要があるんじゃないか。肥大化した国家と市場の社会的役割から、コミュニティに引き継ぐべき役割を探さないことには、困難な状況を打開できないんじゃないか。
というような考えに、今のところ落ち着いています。
そこで、企業メセナ協議会が緊急提言した「ニュー・コンパクト」を読み直すと、いま私が考えていることと共通しているところがたくさんあるような気がします。というか、単に私が影響を受けただけなのかもしれません。近々、公開フォーラムがあるようですので、ご関心のある方は、ぜひ。

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