7.01.2009

「国立劇場おきなわ」のこと

7月1日付けの毎日.JP「国立劇場おきなわ:舞台に打ち込める環境を『芸能文化フォーラム』」という記事を読んでいて、その記事の最後のところで、え?と思いました。
同劇場によると、過去5年(2004年4月~09年3月)の自主公演(開場記念公演を除く)日数は175日間、入場者は計6万8813人(満席率59.8%)。外部団体使用の借劇場は573日間で18万6747人。基調報告で幸喜氏は「自主公演の満席率を(採算が取れる)65%以上に上げることが目標。ジャンルごとに吟味し、この劇場でなければできない大作を作りたい」と話した。

おそらく多くの人は「そんなに稼働率が低くていいの?」という意見を持つと思うんですが、私は、そこに問題の本質を感じません。むしろ、幸喜氏(劇場芸術監督兼企画制作課長)の「自主公演の満席率を(採算が取れる)65%以上に上げることが目標」「この劇場でなければできない大作を作りたい」という話に、違和感を感じます。どうして、国立劇場なのに採算を取ることを目標にしなければならないんだろう?どうして、劇場のサイズにあわせるために作品を作らなければならないんだろう?
それ以外にも、この記事から考えさせられることは非常に多いです。そもそも、国立劇場おきなわは、「国の重要無形文化財『組踊』をはじめとする沖縄伝統芸能の保存振興を図る」ために設置されたわけですが、この劇場が設置される以前の沖縄伝統芸能の保存振興のあり方と、劇場が設置されてから、劇場で行われる芸能の保存振興のあり方との間に、大きなギャップがあるんじゃないか。稼働率とか満席率よりも、そのギャップに目を向けるべきなんじゃないか、と思うのです。
国立劇場おきなわのホームページは、こちらです。

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