6.15.2009

しつこいけど、アニメの殿堂のこと

昨日、地元の温泉に行って置いてあった朝日新聞を開いたら、目立つところに結構大きな見出しで「『アニメの殿堂』どう思う? 発信拠点か予算のムダか」という記事が出ていました。同じ文面は6月15日のasahi.comで読めます。その記事の最後のところに書いてあったことに、私は賛成です。
日本アニメーター・演出協会代表の芦田豊雄さんは「国がアニメに目を向けるのは歓迎する」としつつ、日本のアニメ界は低予算で制作会社もスタッフも疲弊し切っている、と指摘する。「このままでは質が下がりかねない。いい人材を得てこそ国際的なヒット作も生み出せる。むしろ、待遇改善などの環境整備に予算を使ってほしい」と訴える。

もう一つ、少し前の5月26日の同じくasahi.comに「『アニメの殿堂より母子加算復活を』民主が法案検討」という記事があって、こっちには疑問が残ります。
民主党は、生活保護を受けるひとり親世帯を対象に上乗せしていた「母子加算」について、復活させる法案を今国会に提出する方向で検討を始めた。母子加算は4月に廃止され、09年度予算は前年度から約37億円削られてゼロに。同年度補正予算案で「アニメの殿堂」に117億円が計上されていることと対比させ、補正の「無駄遣い」を浮き彫りにする狙いもある。

これ、昨年発生したびわ湖ホール問題と同じく「文化か福祉か」という、無意味に大きな枠組みでの二者択一を迫る構図ですね。こういう問題提起は、正直苛立ちを感じてしまいます。問題を提起するなら、まず、文化政策と福祉政策とを対比させなければならない意図や経緯の説明をしてほしいです。異なる政策領域の予算の是非を論議することに、意味がないとは思わないけれども、まったく目的も性質も違う事業なので、対比させる意図がどこにあるのか分かりません。選挙での街頭演説ネタにはなるのかもしれませんが。

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