3.30.2009

大阪の中崎町に行きました

年度末の慌ただしい時期にもかかわらず、この週末に、ちょっと思い立って家族で大阪に行きました。
一つの目的は、中崎町という場所に行ってみたかったんです。中崎町というのは、大阪の中心部の東梅田から地下鉄で一駅、東に行ったところなんですが、大きな再開発がされないままで、古い木造住宅の密集地帯なんです。昭和で時計が止まったような街です。そこに、8年前くらいに空き家になった木造住宅をカフェに改造したダンサーがいて、それから、若い人が空き家を改装して雑貨屋とかリサイクルショップとかカフェとかが、あちこちに生まれたという、おもしろいところです。
実際に行ってみると、地下鉄の駅から出て、大きな通りから細い路地に入り、木造住宅街をブラブラ歩いて10分くらいの距離に「あ、ここにもカフェ」「おや、ここも雑貨屋」「こんなところに古着屋が」と、小さいけれども居心地の良さそうなセンスの良い店がポコポコポコポコある。欄干に洗濯物を干してたり、軒下に植木鉢があったりするのと、コジャレた店のディスプレイが、案外、違和感なく調和しています。土曜日の午後、狭い通りは地域外から来た若い女の子が買い物をしていたり、公園ではその辺に住んでるらしいガキんちょが遊んでたり、カフェでは学生が本を読んでたり、おばあちゃんが立ち話をしてました。
私が観光案内所でもらった大阪市内の地図には、まったくそういう情報は掲載されていなかったし、とても小さなエリアで、経済的な効果も目立つものではないでしょう。けれども、「持続可能な都市とコミュニティの再生」のモデルのようなエリアです。ここに住む人の文化や誇りを大事にしつつ、若い世代が流入し、新しい雇用を創出している。何が一番の魅力か考えてみたら、行政やゼネコンの手が着いていないから、ということかもしれません。
「創造都市」に興味のある人は、横浜市や金沢市のような行政の取り組みと対比的に、大阪の中崎町のような都市再生を、ぜひ見てほしいと思いました。大阪府がやっているこんなこととか、そんなこととか、あんなことよりも、中崎町で起きている日常の方が、私には魅力的に思えます。

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3 件のコメント:

こぐれん さんのコメント...

まいどです。大阪に来ていただきありがとうございました。
大阪府のそんなこと、こんなことはご指摘のように去年からの新しい動きで、あれれ??です。
ただ、
ご存知の通り、こんなこと(水都)は、新しい知事さんははじめ反対だったそうです。いまは、市長とご一緒に淀川に水没するポスターとなって「発信」されていますが・・・
水都のなかでは、すこし、私の関係者も出るようなので、これだけは気にしております。京都府のはしっこの小暮(大阪市生まれ)より。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

小暮先生
こちらこそまいどおおきにです。
「こんなこと(水都)」には、私も期待していたんです。私の尊敬している方も関わっていらっしゃると思うので「こんなこと」呼ばわりするのは言い過ぎかもしれないなぁと思っているんですが・・・。
ただ、観光案内所で水都のポスターを見て、あああああ、こんなことになってしもうたんかあ・・・・と。
http://www.suito-osaka2009.jp/osirase/press/20090205_poster_release.html
実際、アートの展示自体は面白いものになると思うんですが、このポスターを見て、なんかもう、萎え萎えになってしもたんです、、、はい。
これって、政治とアートを考える素材になりませんかね?

こぐれん さんのコメント...

さっそくのお返事、どうもです。
「大阪府のそんなこと、こんなこと」→「大阪府のそんなこと、あんなこと」でした。訂正します。
あと「こんなこと(水都)」ですが、これは、大阪市長が代表で(一応)、大阪府も一緒にやるもののようです。
外部からはわかりずらいし、平松市長は地味ですから(どうして知事さんと最近仲がよいんでしょうか。不思議、共同するのはいいことではありますが)、大阪府の文化事業としてくくられても仕方がないですね・・・正確には大阪市主導の府市共同事業っていう感じでしょうか。大阪府には、大阪市外のたとえば千里とか色んな地域のことをやるべきですね。
小暮宣雄

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