2.26.2009

受け手の想像力を信頼すること

明日と明後日、手塚夏子が東京・門前仲町の門仲天井ホールで「プライベート トレース 2009」を上演します。
手塚は「身体を観察する」という一貫した手法で作品を創ってきましたし、今回の作品も変わっていません。新しい作品を舞台に載せる直前のギリギリまで完成形が見えてこないのも、いつも通りです。が、今回は、彼女自身がチラシに書いたように、映画「未知との遭遇」と同じ性質の、止むに止まれぬ欲求に突き動かされて創ってきた感じがします。
手塚の作品は、観客へのサービスは、ほとんどありません。ですが、毎回、手塚の想像の範囲を超えた受け止め方をしてくれる観客の方がいます。そういう感想を聴くと、作り手が、受け手を意識してサービスするよりも、受けての想像力を信頼した上で、作り手自身の表現の欲求に誠実になることは、やっぱり間違っていないんだなぁと思います(受け手のニーズに応えることも、作り手の技術としては、大事だと思いますが)。
今回の作品は、受け手の想像力を信用する度合いは、いつもよりも高いかもしれません。明日と明後日、手塚夏子は、「未知なるもの」と遭遇し、観客を誘うことができるのでしょうか。とても楽しみです。

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