1.07.2009

ある「まち」がつくられる様子

仕事の関係で、週に1回だけ乗る路線があるんです。武蔵野線という路線で、東京の多摩地域から埼玉の浦和あたりを通って千葉の松戸、船橋の方まで延びる路線。つまり、東京都心のビジネスエリア周辺のベッドタウンをぐるりとつなぐ線路です。
昨年、この路線に新しい駅「越谷レイクタウン」が開業しました。その新駅を含めて、大型商業店舗、集合住宅、公園なども整備される大きな再開発事業です。
もうすぐ新駅ができるんだな、と気づいたのはいつだったかな。鉄骨とアスファルトだけのプラットホームができたのは、たぶん1年前くらいだったような気がします。その時は、駅前のロータリーと、その周辺に何が建つのかよく分からなかった記憶があります。それから週に1回、そこを電車で通過するときに窓から眺めていて、「まち」になる様子をコマ送りのように見ていました。
その「まち」の生成は、昨年の夏くらいから驚くほど速いスピードで変化しました。あまりにも速いので、ここで本当に人が生活するんだろうか、実は大がかりな映画撮影のセットで、全部イントレで組まれてるんじゃないかと思うくらいでした。建ち上がったどの建物もピッカピカで、人間の垢なんて、ちっともついていない。
昨年の秋に、都内の電車の吊り広告に、新しくオープンした大型商業店舗の広告が貼り出されていました。オシャレで、洗練されていて、しかも環境に配慮しているのが売りらしい。広大な土地をアスファルトで固めておいても、太陽電池を使えば「エコ」なんだろうか・・・。
今日もその駅を通過しました。巨大なショッピングモールは完成し、営業を始めています。たしかに便利だし楽しそう。駅の周辺のマンションは、すでに入居しているところもあれば、まだ工事中のところもあり、「モデルルーム公開中」「入居者募集」という看板。さらにその外側には、枯れススキが覆い、冷たい風の吹く広大な土地。
この一年間の、この駅周辺の変化を思うと、素朴に「まち」って、こんなに簡単にできちゃうのか、と驚くんです。同時に、いや、そんなに簡単に「まち」ができちゃって、いいんだろうか?とも思ったりします。

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