12.22.2008

地名には時代の記憶が刻まれている

私が住んでいる神奈川県の藤野町というところは、2年前までは津久井郡藤野町だったんです。それが2年前に相模原市と合併し、相模原市は再来年の4月に政令指定都市に移行します。
政令市となることで、区制が導入されるのですが、その新しい区名を現在募集しています。一方で、今まで町名だった「藤野町」を、住所表示に残すのか、残さないかという検討もされています。
ある会合で、その議論に参加させてもらいました。藤野町を残してほしいという意見と、残さなくてもいいという意見、それぞれありました。残さなくてもいい、という意見には、住所表記が長くなると煩わしいという理由もあったんですが、それだけじゃない。そもそも「藤野町」という地名も、それ以前は「○○村」と呼んでいた土地に行政が付けた名前であって、今はかつての村の名前が大字として残っている。新しい区名のあとに大字名が続くのであれば、土地のアイデンティティは残るので、特に藤野町は必要ない、とのことです。一方で、藤野町を残したい、という意見は、今の子どもたちにとっては「藤野町」もアイデンティティの一部だから、それを次の世代にも残してあげたい、という意見でした。
その議論を聞いていて、なるほど、地名というのは、その土地の範囲に名前が付いているだけじゃなくて、その時代の記憶と共にあるんだということが分かりました。

-----------------
sent from W-ZERO3

0 件のコメント:

archive