11.19.2008

鍵盤ハーモニカと野村誠の音楽

先の日曜日に、作曲家の野村誠さんたちの鍵盤ハーモニカ四重奏のコンサートを、カミさんと息子と一緒に聴きに行きました。
私は、コンサートの前半は会場の外で息子の相手をして、後半はカミさんとバトンタッチで会場の中で聴きました。プログラムは、野村さんを含めた国内外の現代音楽作曲家の、鍵ハモアンサンブルのための数々の作品。
ありきたりな言い方ですが、鍵ハモという楽器の可能性を発見できたコンサートでした。楽器というのは多かれ少なかれ、拡張された身体器官のように感じることはあるんですが、鍵ハモは、口から吐かれる息と指の動きに音が生まれるわけです。それは管楽器も同じですが、なぜか楽器が身体器官そのもののように、「生(ナマ)」を感じさせますね。
あと、鍵ハモ四重奏という形態って、想像以上に編成として面白いなぁと思いました。いまでも小学校の音楽の授業では鍵ハモを使ってるのかな?だったら、もっとたくさんの良質の作品や優れた演奏家がいてもいいのに。いやいや、いないと困るよなぁ。子どもたちが学ぶ(学ばされる)楽器で、憧れるような演奏家や、いつか演奏したい曲があれば、もっと音楽の授業を好きになるんじゃないかと。野村さんの鍵ハモの曲が音楽の教科書に掲載される日が来るといいですけどね。
コンサートの最後に、野村さんの「FとI」という曲が演奏されました。ほかの野村さんの曲にも感じることが多いんですけれども、とても知的な、緻密な構築を感じる部分から、いつの間にか、ある一線を越えた興奮の渦というか、抑制の利かない運動に発展するのを感じるんです。あれは何なんだろう?私たちが普段の生活では抑えているエネルギーを開放するような、音の扇動というか。そこまでイっていいのかな、あー、イっちゃったな・・・え?まだその先まで連れてってくれるの?うわあああぁぁぁ・・・みたいな瞬間があるんですよね。
こんな感想じゃワケわかんないよな。でも野村さんの音楽は、言葉で表現すると、大部分はそこから漏れちゃうような気がするんですよ。
そんな野村誠さんと手塚夏子が、12月6日、藤野町で顔を合わせて話をします。題して「顔と顔カフェ」。ぜひ、お越しください。ちなみに、「顔と顔カフェ」の営業終了後は、「顔と顔ちょうちん」という居酒屋を開店する予定です。この居酒屋の暖簾をくぐったら、物理的に、その日は帰れませんので、お楽しみに。

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