11.06.2008

インドネシアの段々畑の話

先週の金曜日、東大の公開講座「市民社会再生」で、舞踊家・振付家・農業家の田中泯さんの話を聞きました。
山梨県の白州での農業を実践されながら世界各地で踊り、近年では映画の出演でも高い評価を得ている泯さん。大学に到着した泯さんとアシスタントの方と、学内のコーヒー屋さんでお会いして、数分間お話できたんですが、その時の話題で講義ではお話しされなかったエピソードを一つ紹介します。
講義の前日にインドネシアから帰国された泯さんですが、インドネシアの地方を車で移動していたときに、美しく広大な段々畑に出会ったそうです。車を降りて畑を見ると、どの畑も見事に手入れされている。しかし、一つひとつの畑の広さや地形からして、トラクターなどの農耕機械は使えないだろうし、とても苦労するんじゃないかと泯さんは思ったそうです。
ちょうどその時、畑で働いていた現地の人に、泯さんは声を掛けて、機械を使わずに農業をするのは大変じゃないですか、と聞いてみたそうです。するとその農家は、「機械を使っている村もあるけれども、そういう村では必ず村人がケンカをはじめる。そんな道具は、ウチの村にはいらない」と答えたそうです。
「市民社会再生」について考えるうえで、とてもいい話だなぁと思いました。

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