11.10.2008

創造産業×社会起業=「創造都市2.0」

ときどき私は、ビッグ・イシュー(Big Issue)という情報誌を買います。このビッグ・イシューはイギリスで創刊されたそうですが、ホームレスが販売し、価格の一定割合が販売者の収入になるという手法で出版されています。
掲載されている記事内容は、おもに環境や人権や文化といった時事問題なんですが、そのテーマの選択や視点がマスメディアとは違っていること、海外の情報が分かりやすく伝えられています。
つまりビッグ・イシューは、巨大な出版ビジネスと市場の中で、ユニークな流通経路とニッチな購入者層を獲得しつつ、ホームレスの職業能力の育成や雇用の促進、生活の自立を促すという、社会起業を実践しているわけです。出版という面では、いわゆる創造産業という分類にもなるけれども、ビジネスを通じた社会的課題の解決という面では、社会起業でもあります。
いま、「創造都市」というと、アーティストやクリエイターの集積、知的財産ビジネスのクラスターの形成、コンテンツ産業や文化ツーリズムの発展・・・というようなイメージが強いと思います。しかしそれだけでは、都市の経済的な発展だけに光があたっているわけです。
一方の、影となっている都市の社会的課題に、アーティストや市民が自ら向き合い、創造性をもって解決したり、コミュニティビジネスやソーシャルアントレプレナーの有機的なネットワークが生まれることで、持続可能な、次の段階の「創造都市」が生まれるんじゃないかと思ったわけです。
創造産業×社会起業=「創造都市2.0」。
一昨日の横浜のシンポジウムで、BankART1929の池田さんと、寿町で活動する「コトラボ」の岡部さんの話を聞いて、そんなことを思いつきました。

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