10.09.2008

意志のあるお金が舞台を支えている

先週日曜の「復活!!藤野村歌舞伎」の話の続きで、もう一つ、考えさせられることがありました。それは「寄付」と「おひねり」です。
公演は入場無料でした。ところが会場の体育館に入ると、神社の祭礼でも目にするように、壁に半紙がズラっと貼られてあり、一枚一枚、寄付された方のお名前と、例えば「金壱萬圓也」といった金額が筆で書かれていました。驚くような大金は目にしなかったんですが、知っている人の名前を目にして、ああ、あの人も寄付したんだなぁと、感心しながら拝見しました。
そして、観客に配られた印刷物を読むと「おひねりの投げ方」をレクチャーしてくれるチラシがありました。ティッシュの中央に小銭を置いて、四方の角を真ん中で合わせて捻って包み、役者が見栄を切ったところで掛け声と共に舞台に投げ込んでください・・・というような、ご丁寧なインストラクション。オマケに、開演前のアナウンスでも「指導」があり、それもまた、観客を盛り上げてくれました。
おそらく今回の公演には、相模原市からの助成か補助を受けているは思うのですが、市民が出演するとはいえ、小学校の体育館で仮設の照明、音響、美術、そして本格的な衣裳や床山、義太夫に下座・・・予算が潤沢だとは到底思えません。だからなのか、あるいは伝統的なスタイルを継承してなのか、地域の人々や当日の観客から、寄付やおひねり、つまり「意志のあるお金」を集めて公演しているようです。
およそ160年前に。わずか50戸程度の小さな集落で、舞台や楽屋を兼ね備えた山門のある神社を建造したのも、きっと同じように、意志のあるお金によって実現したんだろうと思います。その志(こころざし)が途絶えないように、私もおひねりを舞台に投げ込みました。いやいや、ささやかではありますが・・・

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