10.20.2008

「ぐるっとお散歩篠原展」の話 (8)

2日間、篠原で満喫した「ぐるしの展」も、そろそろ太陽が傾き始めたので帰ろうと、休日は1往復しかないバスの停留所まで歩いていました。
そしたら、前から歩いてきたおばさんが「あ、とらおさん!大澤寅雄さんやね!?」と声をかけてくれました。前日、ケージ先生のお宅で出会った関西弁のお母さんで、子どもたちのオペレッタのときに、私が衝撃を受けた歌声の娘さんのお母さんでした。
なんで私のフルネームを知ってるんだろうと思ったら、
「昨日ね、親しくしてる○○さんが、あんたのことを知ってはるって言うし、名前がとらおさんって聞いて珍しいなぁと思てね、ウチに帰ってダンナにその話をしたら、それって大澤寅雄さんちゃうか、てウチのダンナもとらおさんのこと知ってたんよ」
え?なんでダンナさんまで知ってはるんですか?と聞いたら、これこれこういう仕事をしてて、あのときにお会いして・・・と説明を聞いて、納得しました。ああ、そうでしたか、いやー、昨日たまたまお会いしただけなのに、今日はフルネームまで知られてるとは。いや、それにしても娘さんが出演したオペレッタ、すばらしかったですよ、娘さんの声を聞いて感動しました、と言うと、お母さんは言いました。
「いやね、ウチの子は、ああいうのが好きなんですわ。ぜんぜん勉強もでけへんし、逆上がりもでけへんけど、歌うのだけは好きで好きで、楽しいみたいですわ」
と笑って話してくれました。そうやって話すお母さんこそ、すごく嬉しそうでした。
帰りのバスの中、ぼんやりと、「ぐるしの展」で出会った人たちを思い出すと、みんなそれぞれ、喜びとか幸せとか、大事に思っている物事、つまり価値観が、少しずつ、世の中一般とはちょっとズレているということに気がつきました。私にとっては、篠原地区のような価値観を共有できれば、世の中はもっとハッピーなんじゃないか、と思えました。

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