9.28.2008

ジェコとアジェンの藤野滞在記録 (5)

午後2時頃、藤野在住のインドネシア語の達人のヤスさんにウチに来てもらいました。もはやジェコたちとヤスさんは、兄弟か、現地の古い友人のような関係になっています。ヤスさんは、私とジェコとアジェンと4人で会話するときは英語で、ジェコとアジェンと3人で会話するときはインドネシア語で、私と2人で会話するときは日本語で話しているので、ときどき、とっさに何語で話しているのか分からなくなっていました。
午後3時頃、ダンサーで藤野に何度も遊びに来てくれている捩子ぴじんさんが茶菓子を持って来てくれました。午後は捩子さんを交えて、ダラダラと、いろんなダンスの映像を見たり、話をしたり。
まず、ジェコの作品のDVDを見せてもらいました。ジェコが約10人の若いヒップホップダンサーに振り付けた作品、パプアの伝統的なダンサーに振り付けた作品、そしてジェコが監督をしたダンスフィルムなどを見せてもらいました。
いやー、これはぜひ日本で上演・上映してほしい。観てもらいたい。ジェコの多才ぶりもスゴイし、アジェンを含めてダンサーがとても魅力的。パプアの原住民のダンサーが、すごくいいです。
ジェコは、本格的にヒップホップダンサーとしてジャカルタで仕事をしていて、ヒップホップダンスのテレビ番組の審査員をやったり、若いダンサーに振り付けたりしています。アジェンも、若い人にヒップホップを教えているそうです。捩子さんは、ジェコが日本のヒップホップに詳しいということで、ヒップホップダンサーを集めたテレビ番組のDVDを持ってきてくれました。ジェコは、そのDVDで紹介されているチームをとてもよく知っていて、どうやら、やはりYouTubeでチェックしていたらしい。ちなみに、ジェコが審査員をしたヒップホップの番組は、これです。ジェコも出ています。

捩子さんは、ダンス活動の最初は大駱駝館という舞踏カンパニーに参加していて、その公演のDVDを見ました。これが、先ほどジェコが見せてくれたパプアの原住民に振り付けたダンス作品に、少し似ていたりして面白い。ジェコは舞踏のこともよく知っていて、大野一雄や田中泯のことを、ダンスに詳しいわけではないヤスさんにレクチャーしていました。
「ヨーロッパやアメリカでバレエやモダンダンスがあるように、舞踏っていうのは、日本の代表的なダンスなんだ」と、ヤスさんがジェコに教わっていることが、おもしろいなぁと思いました。
多くの日本人は舞踏って言われても知らないか、ああ、あの気味の悪いアングラな踊りね、という印象だと思うんですが、インドネシアの人にそう言われると、ちょっと印象は変わるかもしれませんね。実際、私もアメリカでは「舞踏を見たことがある」という人にたくさん出会ったし、舞踏という表現スタイルに対する尊敬心を感じました。
こういう部分に、日本文化に対する日本人と非日本人のカルチュラル・ギャップを感じたりもします。
あ、そうそう、たまたまタイムリーにメールをくれた群馬県前橋市在住のダンサー(年齢不詳)の山賀ざくろさんに、業務連絡です。
「いつも寅雄さんのweb日記は読ませてもらってます」
ありがとうございます。
「時間があったらジェコさんにわたしのDVDなどちょっとみせてあげてください」
はい、見せてあげました。
捩子さんが「多くの人が彼のことを天才だと言っている。ボクも彼が大好きだ」と言っていました。アジェンが「踊っているときは、とても若く見えるね」と言ってました。ジェコは「彼が若く見えるのは、たぶん独身だからだと思う」と言ってました。
おそらく、これって誉め言葉なんだと思います、たぶん。

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