8.14.2008

文化芸術振興ビジョンの策定と評価

いつも拝読している福岡の高崎さんのブログに、福岡市文化芸術振興ビジョン(案)が紹介されていました。ナナメ読みした印象としては、全国的な動向や地域の現状をクリアに捉えていて、とても充実した優れた内容なんじゃないかと思いました。その一方で、私自身はこうした文化芸術振興ビジョンの策定に関心はあるけれども、多くのひとはそうじゃないということも、改めて自覚しました。
こうした、自治体の文化芸術の施策の多くの場合、ホールや劇場の整備事業のように、はっきりと一般市民の目に見える形になるものと、なかなか目に見えにくいものとでは、市民の関心の度合いに大きな差が生まれます。目に見える形というのは、形のある建物ということもあるし、自治体の予算の中でも、施設の整備事業にかかる数十億円という金額は、目に見えやすい。だから、行政にとっても、政治家にとっても、その整備事業への評価は大きく世論を左右するし、近年では、首長の選挙の争点にもなることもあります。
しかし、文化芸術の振興は、ホールや劇場の整備事業だけではありません。ホールや劇場の運営管理は、毎年そこに投じる予算を積み上げれば、いつかは整備事業よりも大きな金額を投入することになるわけですし、成果や実績も、常に生み出していく必要があるわけです。また、文化事業を行うにしても、補助金や助成金などの支援策を施すのも、成果や実績が求められる。しかし、何をもって成果や実績とするのか見えにくいし、分かりにくい。文化芸術を振興することに反対の人は少ないけれども、何をもって「文化芸術が振興された」ことになるのか、実は誰も考えたことがなかったりする。
文化芸術振興ビジョンの策定を新たにするのであれば、まず、過去に策定されたビジョンや計画が、どこまで実現できて、何が実現できていないのかを評価することが必要じゃないかと思うんです。それで、目標を達成できた、あるいは目標に近づいた部分は、しっかり認識すべきだし、目標を達成できていなかったり、新たな課題が生まれたところから、新しいビジョンが生まれるんじゃないかと思います。
私も福岡市の文化芸術振興ビジョン(案)に意見を出そうかな。

1 件のコメント:

tahahahi さんのコメント...

はい、もうどんどん意見出してやってくださいませ。

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