8.26.2008

ACYの「アーティストを支援するプログラムのための助成」

アーツコミッション・ヨコハマが、アーティストを支援するプログラムのための助成というのを開始しました。
アーツコミッション・ヨコハマ(以下「ACY」)ではアートに関する相談業務や芸術不動産、アートデータバンク等、アーティストや様々な創造活動を繰り広げる人たちのサポート活動をおこなっています。この助成制度は、NPOや市民団体のみなさんから、アーティストにとって活動しやすい環境を創造するための新しいアイデア・取り組みを募集し、その企画実施のためにACYから助成金を交付するものです。多様な切り口から様々なアイデアを募集、アーティスト支援のための取り組みを応援します。

少し前に紹介した、トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクトもそうなんですが、芸術活動の中間支援活動を支援する仕組みが、新たに横浜に生まれました。私は画期的なことだと思います。ちなみにトヨタの助成金額は50万円で、ACYの助成金額は上限60万円。この10万円のビミョーな差が、ほほえましい(笑)。
ACYは、母体としては、横浜市および財団法人横浜市芸術文化振興財団ですが、その位置づけや活動内容は、ほかの自治体が設置する文化振興財団とは違ってとてもユニークだと思います。つまり、ACYはホールを管理をする組織でもないし、公演事業を企画制作するのがメインでもない。人、場所、情報をつなぐ中間支援組織だということになるでしょう。ACYには「横浜のアートに関することなら、誰もが気軽に利用できる相談窓口」という謳い文句があるんですが、その相談を解決するようなアイデアを、今回の助成プログラムで支援しようとするものだと理解しました。なるほど、面白い仕掛けだと思いました。
トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクトも、ACYの今回の助成も、今までの芸術文化振興のあり方から、一歩、前に出た試みだと思うんです。つまり、芸術文化の振興を、行政に依存せずに、アーティストや市民が自ら芸術文化振興の主体になる。そのための実験でしょう。「アートにおける新しい公共」の誕生、というと大袈裟かな。

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