7.09.2008

芸術環境のtransition

芸術環境は、言うまでもなく、劇的に変移しています。
政府セクター、特にいくつかの自治体では、逼迫した財政事情から、文化予算を大幅に削減しています。また、指定管理者制度によって、自治体は施設の設置目的を明確化する必要に迫られていますが、多くの場合、予算削減が制度の導入目的となってしまい、これまで以上に施設の目的が曖昧な利活用の状況も懸念されます。
一方、芸術環境の新たな担い手として、非営利組織の力が期待されています。財政的な基盤は未だ脆弱ですが、モチベーションの高さと行動力で、芸術と社会の新しい関係を生み出しています。また、こうした非営利組織の活動の場は公共施設も見られますが、歴史的建造物、廃校、空き店舗といった遊休施設も数多く、そのユニークな活用方法は、メインストリームな芸術文化ではない、オルタナティブなアート、あるいはサブカルチャーといった、文化の多様性を促す土壌となりました。
芸術環境に限らず、社会全体のtransitionにおいて、政府セクターと非営利セクターは、役割を補い合いながら、transitionに伴う社会的課題に取り組むことで、両者の互恵関係の構築と、公共的福祉の実現が可能だと思います。

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