7.14.2008

環境改善とは、花や実の収穫ではない

環境問題は、社会全体の関心事であることは疑いのないことでしょう。おそらく、かつて環境問題は、自然の維持よりも開発を優先した企業や政府に対して、問題意識の高い市民が闘ってきた領域だと思います。しかし近年の環境問題は、市民自らが、自分も環境破壊の当事者だという意識を持って、企業や政府に対する批判ではなく、自分ができることに取り組むことが求められています。
トヨタの芸術環境KAIZENプロジェクトの公開審査が土曜日にありました。私は残念ながら参加できなかったんですが、まずは、不採択だった皆さんを称えたいです。
というのも、環境を変えるのは企業や政府ではなく、自分であるということに気がついて、行動を起こすことがなければ、環境は変わらないと思うからです。自ら発言し、他者の発言を聞く、ということは、立派な行動だと思うのです。
そして、採択されたプロジェクトは、自らの発言を行動にして先に進めなければならないわけです。しかしながら、「芸術環境の改善」は、いくら即効性を求めたとしても、すぐに結果を出せるものではありません。自然環境に例えれば、その種を植えるのは、花や実を収穫するためじゃなくて、土を耕し、水をやり、肥料を与えるといった作業に、多様な主体を巻き込んで、持続的に循環する仕組みを期待しているわけです。だから、すぐに花や実がならなくても耕し続けなければならないし、花や実がついたとしても、また土に返すことがあってもいいと思うのです。
発芽した3つの種を腐らせないようにするのは、芸術環境の中に身を置く私たち、あるいは直接的、間接的に恩恵を受けている私たちだと思うのです。花や実の収穫を期待せず、土壌づくりを長い目で見守りたいです。

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2 件のコメント:

tahahahi さんのコメント...

>自らの発言を行動にして先に進めなければならないわけです。

ホントその通りで、責任を感じています。
がんばります。です。

大澤寅雄 Torao Ohsawa さんのコメント...

tahahahiさん(たぶんきっとtakasakiさんだと思うけど)
このたびはおめでとうございます。今年度は当たり年ですね。
たぶん、何らかの形でtahahahiさんのプロジェクトに私も協力することになるんじゃないかと予想しています。その時は、どうかよろしくお願いします。

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