数年前に、全国アートNPOフォーラムで知り合った方から、昨日、貴重な情報をメールでいただきました。
その貴重な情報とは、National Endowment for the Arts、通称「NEA」(全米芸術基金)による「ARTISTS IN THE WORKFORCE 1990-2005」という調査結果が発表されたというものです。
概要版を読むと、この調査はタイトルの通り、米国の労働力全体における芸術家の実態を把握するもので、芸術家の人口統計と労働形態を包括的に捉えたものだということです。いくつか興味深い結果を紹介しますと、
◎米国において2005年の時点での芸術家(芸術家を第一の職業としている人)は199万人で労働可能人口の1.4%、米軍に従事する人の220万人に迫る労働力の規模を有している。
◎芸術家の人口は、1970年から1990年にかけて2倍以上の伸びを見せた。この変化は劇場やギャラリー、オーケストラなどの増加だけでなく、大学での芸術系プログラムや娯楽産業の伸びを反映している。
◎米国の芸術家の5人に1人が、ロサンジェルス、ニューヨーク、シカゴ、ワシントン、ボストンの5大都市で働いている。
◎芸術家の学位以上の取得者の割合(55%)は、労働可能人口全体の学位取得者の割合(28%)よりも高いが、常勤雇用(full year, full time jobs)の割合は、労働可能人口全体での割合(61%)よりも芸術家の割合(55%)が低い。
◎芸術家は、他の専門的な職業よりも年収が少ない。
というようなデータが見られます。
この調査報告書の概要版の前文で、NEAのチェアマンは、こう文章を締めくくっています。
「海外輸出から国内投資に至るまで、新しい米国の経済は、想像性、イノベーション、創造性を拠り所にしており、これらの資質はアーティストが開発し、涵養し、促進するものです。国民はこの事実に気がつくべき時が来たのではないでしょうか?」
いやー、勉強になるなあ。
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