41時間にわたってエレベーターに閉じこめられた男性を捉えたおよそ10年前の監視カメラ映像が、インターネットで話題になっている。
彼が1999年10月15日、ニューヨークのミッドタウンにある高層建築マッグロウヒル・ビルのエレベーターに閉じこめられた際の映像は、『ニューヨーカー』誌4月21日版の記事にあわせて同誌のウェブサイトで公開された。YouTubeでは月曜日の朝までに28万回以上の視聴回数が記録されている。
この記事に貼られているリンクから映像を見ると、閉じこめられたエレベーターの監視カメラが捉えた41時間の状況を、早回しで数分にまとめられています。
ある意味で、とても生々しい映像であり、また別の意味では、とてもアーティスティックな意味を持っていると感じました。
普段私たちが使っているエレベーターで、こういうことが自分の身にもあり得る、ということを、監視カメラが冷たい眼差しで見ていることが、逆に私たちに「生々しさ」となって伝わる。そして、この狭くて閉ざされた空間でもがいている彼は、地球温暖化などの危機が、ゆっくりと、でも早回しにすれば「あっ」という間に自分自身に迫ってくるという想像を喚起させます。たぶん宇宙から見たら、閉じこめられたエレベーターに乗っている彼と、いまの私たちは、同じように見えるのかもしれない。
このドキュメンタリー映像と、同時代のアート。どちらが社会に対してパワーを持っているだろうか…と。
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