5.15.2008

生物多様性と文化多様性について

ちょっと古いネットの記事ですが、「集約畜産が感染症を拡大させている」というニュースを読んで、とても興味深かったです。
渡り鳥がヨーロッパに鳥インフルエンザを持ち込んでいると非難されている。しかし、畜産、そして人間の自然界への侵入が、新興感染症流行の大きな要因だというのが一般的な見方になってきている。

(中略)
人間への感染が容易になったのは、環境の変化と農業の集約化が原因だ。そして、いったん人間に感染した疾病は貿易と航空の国際化に伴い、世界中に急速に広まっていく。

(中略)
ヨーロッパ議会議員のキャロライン・ルーカスは、集約農業が、現在、疾病の普及に大きな役割を果たしているという。 家畜の成長を最速にするために種の多様性が減少し、動物はその 繁殖と飼養方法のために、病気に罹りやすくなっている。利益の追求は動物、そして人間をより危険に曝すことになった。現在の政策が、基本的な畜産をおろそかにする農業を助長しているのだ。

(中略)
SARS、エボラ、BSE、CJD、HIV/エイズ、鳥インフルエンザH5N1型などの疾病は、環境の変化によって引き起こされたものであり、環境の変化はほとんどの場合、人間が引き起こしている。人間には動物と共通の病原体が非常に多くあるので、野生生物の疾病を引き起こす人間の影響が、廻りめぐって公衆衛生を脅かすことになる。

(中略)
ウイルスが狙う標的や宿主となる生物の種類を数多く確保しておくことにより、生物の多様性は、ウイルスの人間への影響を弱め、世界規模で保健の維持を保障する。 生物の多様性は新しい治療法や治療薬を 確保するだけでなくて、病原体の有機体から人間を保護する役目も果たす、とDiversitasのアン・ラリゴーデリー代表はいう。

(中略)
新興感染症を通して、医学、獣医学、野生生物保全の専門家らは同一の課題を共有している。問題は小さなものではなく、それに取り組むのは容易ではないが、共通の問題を認識するのが第一歩だ。
2006年2月22日
The Guardian

文化多様性について考えるときに、とても重要な示唆があると思いました。

0 件のコメント:

archive