前のエントリーでも書いた私的録音録画補償金制度のことですが、まだ議論が続くようです。私は、この制度そのものというよりも、制度についての国民的な論議の方向性、そこから浮かび上がる文化論に関心があります。
IT media Newsが伝える文化庁文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」での議論で、「利用者には寛容になってもらえないか」という見出しから続く委員の議論が興味深いのです。要約すると、
・補償金制度が、日本の文化を支える柱になると考えてほしい。
・音楽や映画に興味のない人も支払わされてるのが補償金だ。
・興味のない人も支払わされるのは消費者として納得できない。
・興味のない人にも、文化は何らかの貢献をしていないとは言えない。
・興味のない人にも理解してもらうためのロジックや説明が必要だ。
ということになりますかね。
これは、私的な録音録画をめぐる補償金だけでなく、公立文化施設の建設や運営、国や自治体の文化事業や芸術文化活動に対する助成制度についても、おおむね同じような意見を当てはめることができます。もちろん、文化のすべてを一面的に捉えることはできませんが、この私的録音録画補償金制度をめぐる論議は、国の文化政策としては「国民的な議論」として広い関心を呼んでいると思います。それは、この国の、今後の社会の文化のあり方を大きく左右することは間違いないでしょう。
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