NPO法の改正、寄付税制の改正の動きが活発化していて、NPOにとって来年は大きな転換点になることが考えられます。まだ勉強不足なのですが、おそらく今後のNPOにとっては、寄付による資金調達が組織の持続可能性につながるのではないかと、漠然と考えています。
今月の8日から、京都に拠点を置く「子どもとアーティストの出会い」というNPOを応援しようと思って、JustGivingというファンドレイジング・サイトを使って寄付を呼び掛けてきました。3万円を目標金額に設定したところ、今日現在、75%を達成しています。私は、こういう形で寄付を呼び掛けるのは初めてなんですが、やってみたら、楽しいし、嬉しい。寄付されたお金は私に入るわけじゃないけれども、寄付してくれる人は、「子どもとアーティストの出会い」だけじゃなく、私に対しても応援してくれるわけで、これがとてもありがたい。寄付してくれたムラマツさん、h.e.yossyさん、nekodemoさん、小暮宣雄さん、mai_takeさん、yukaさん、本当にありがとうございます。
「子どもとアーティストの出会い」が取り組んでいるのは、「小・中・高等学校などの学校等教育現場にアーティストが出向き、教諭、アーティスト、当団体が密接に連携して実施するワークショップ型授業の企画・運営」なんです。私もこういうワークショップ型授業を今まで何度も見てきたのですが、アーティストから子どもに、子どもからアーティストに、子どもから子どもに「共感が伝搬する」瞬間に立ち会ってきました。単に、一人ひとりが共感するのではなく、共感が伝搬していく瞬間。
それは、空気が少しずつ変化するようなときもあるし、海の底から津波が押し寄せるようなときもあるし、砂浜に波が打ち寄せるようなときもある。あ、きたきたきたきた、共感が広がってきた、と。自分もその共感の一部分になって、人から共感を受け止めて、私から誰かに共感が伝わる。そういう瞬間。その共感の伝搬を体験していない集団には「社会」を形成することが難しいんじゃないか、という気がしています。だから、「子どもとアーティストの出会い」が取り組んでいることは、社会の形成にとって重要だと思うんです。
いまNPOが置かれている状況も、法の改正によって、寄付による資金調達に取り組みやすい環境が整ってきていると思うんですが、私は、NPO法や寄付税制が改正されることで、寄付がどんどん集まるような変化にはならないと思っています。手段としては有効だけれども、結局、共感しなければ寄付しない。結局、共感を集めることができなければ、「良いことをやってるのだから政府が支援してくれ」という今までの要望を繰り返すだけになる。それはそれで必要な場面で要望すればいいとは思うし、政府は共感するかしないかで動くわけじゃないし、共感を呼び起こそうということもしない。なので私は、政府に過度に期待しないことにしました。
共感は、必ず伝搬する。自分が共感すれば、誰かも共感してくれる。共感できる土壌を作ろう。とりあえず目標まで、あと7,722円。
0 件のコメント:
コメントを投稿