12.14.2010

アートと市民が直接「支え合う」仕組み

メセナフォーラム2010に参加したときに「なぜ私たちは芸術・文化を支えるのか?」というテーマのセッションで、各テーブルに分かれて話をしたのですが、私のテーブルでの議論で「芸術・文化を好きだから『実践している』のであって、『支える』という感覚がよく分からない」、「芸術・文化は一方的に支えられる存在ではなくて、芸術・文化が社会を支えている側面もあるのだから、『支え合う』という言葉の方が正しいのではないか」という意見がありました。
私は、それらの意見に頷いていたものの、それでも何かモヤモヤした感じが残っていました。つまり、その言葉はアートの愛好者や理解者の中では通じ合えるかもしれないけれども、そうではない市民との認識からは、相当な距離がある。そこのモヤモヤ。このモヤモヤはどうすればいいのか。
これまでの私の考えは、国や地方公共団体といった政府セクターが、アートの愛好者や理解者と、そうではない市民との距離を埋めるための努力を促すべきだと思っていました。これからも促したいとは思っているのですが、どうも、このままでは距離が縮まりそうにないな、という感じが込み上げてきました。と同時に、国や地方公共団体に、文化予算を上げてくださいとお願いしても、文化や芸術を振興するための法律や条令を作ったとしても、どれほど状況を変えることになるのかなぁと思い始めました。
だから、国や地方公共団体に変わることよりも、市民が変わるためのアクションが必要だと思い始めました。
いま、寄付税制が動いていて、寄付を促す仕組みが整備されつつあります。これを歓迎する一方で、「寄付した方がオトクだから寄付する」のではなく(そういう動機もあったっていいけど)、「寄付したいから寄付する」という状況を作りたいと思ったわけです。
そう思ったところに、Just Givingというサイトを見つけました。

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