9.29.2010

別府も無縁所だった

週末、アートNPOリンクの調査で別府を訪れました。2008年に開催された現代芸術フェスティバル「別府混浴温泉世界」にはアート界から大きな注目を集めた別府ですが、その企画を担ったアートNPOのBEPPU PROJECTの活動と、地域に対して果たす役割や成果、課題などをリサーチしてきました。
リサーチの内容は改めて報告書に掲載するとして、ここで書きたかったのは、やはり別府というまちも「無縁所」だったということですね。古くは中世、鎌倉時代の元寇によって傷ついた武士が、別府で湯治したことが地域の歴史に残されているそうです。
近現代では観光業が発展し、この土地には縁のない人が集まった。政界や財界の大物が休暇を過ごすだけでなく、スネに傷を持って世俗の縁から逃れてきた人もいた。また、そうした多様な人々も受け入れ、共生してきたまちでした。
そこに、芸能や芸術がある(あった)ことは、必然なんじゃないかと思いました。そして、世俗の縁を切った人々が集まる無縁所が、これまでの世俗にはない、新しい縁を生み出している(生み出してきた)ことも、事実ではないかと思いました。

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